「事故にあって修理したいけど、どんな流れでどこの業者に修理依頼をすればいい?」
「修理が完了するまでどのタイミングで保険金が支払われるか知りたい」
上記のような悩み・不安を抱えているのではないでしょうか。
この記事では、事故後の修理依頼の流れをわかりやすく解説するとともに、保険金の申請タイミングや注意すべきポイントも丁寧に紹介します。
これから修理を進める方が安心して行動できるよう、実際の流れに沿ってお伝えします。
事故車修理の流れが分からなくて困っている方は、ぜひ参考にしてみてください。

事故車買取に携わって20年以上の経験を持ち、損害車や故障車に関する知識が豊富。 幼少期からの車好きが高じて、中古車販売店や大手カー用品店、ガソリンスタンドなどに従事し、 車の知見も深い。その経験を活かし、お得な売却術や修理・乗り換え方法など車に関する幅広いコラムの監修をしている。 ...続きを読む
事故車を修理する時の流れ
この章では、事故後から修理完了までの一般的な流れを解説します。
事故車を修理する際には、どのような段階を踏むのかを理解しておくことが安心につながります。
特に、保険会社とのやりとりや見積もりの取り方、修理費の支払い時期などは事前に知っておくとトラブルを防ぎやすくなります。
以下では、事故後から修理完了までの一般的な流れを順番に説明します。
保険会社に連絡
まず事故後は速やかに保険会社に連絡をします。
電話の際には、保険会社に事故の状況を伝え、保険を使う旨を伝えましょう。
以下の項目を伝えると、スムーズなやりとりができます。
自身の情報 | 相手の情報(事故相手がいる場合) |
・ご契約の自動車保険の証券番号
・自賠責保険の証明書番号(相手にけががある場合) ・運転手の氏名、生年月日、電話番号、 ・免許証番号、ご契約者さまとのご関係 ・事故発生の自動車のナンバープレート番号 ・ケガの具合および自動車の損傷状況 |
・住所、氏名、連絡先
・事故発生の車のナンバープレート番号 ・ケガの具合および車の損傷状況 |
参考:損保ジャパン
具体的な保険会社への申請方法は【事故後の保険申請の流れ】で詳しく解説します。
修理の見積もり依頼
保険会社に連絡をした後は、修理を依頼する修理工場や整備工場に車を持ち込み、修理の見積もりを出してもらいましょう。
見積もりには修理にかかる費用の詳細が記載されており、損傷の程度によっては部品交換や塗装、調整など様々な作業が含まれます。
修理費用の平均的な目安や修理期間については、業者によって異なります。
【依頼できる5つ業者と特徴一覧】で詳しく、事故車修理できる業者を紹介します。
賠償金額が決定
保険会社と修理工場の見積もり内容をもとに損害額が確定したら、事故の過失割合を踏まえて賠償金額が決まります。
単独事故ではなく交通事故であった場合は、当事者それぞれの過失割合に応じて賠償額が決まります。
これはあくまで例なので、負担割合によって変化します。
通常はこの賠償金額を基に修理費用の支払いが進みます。
保険金の支払い
一般的には、保険会社が損害額を確認した上で、賠償金や保険金の支払いが行われます。
修理を行ってから支払われるケースもありますが、必ずしも修理完了を待たなければならないわけではありません。
たとえば、車を修理せずに売却したり、廃車にしたりする場合でも、損害額に応じた保険金が支払われることがあります。
支払いのタイミングや方法は、保険会社の対応方針や契約内容、事故の状況によって異なるため、事前に確認しておくと安心です。
もし支払いが遅れている場合は、保険会社や修理工場に連絡して、進捗状況を確認しましょう。
修理せずに現金を受け取る方法を知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。

事故後の保険申請の流れ
ここまでで全体的な流れをご説明してきましたが、
「具体的に保険申請はどうやって進めるの?」
「どんな書類が必要なの?」
といった疑問を持たれている方も多いのではないでしょうか。
この章では、事故の発生から保険金の支払いまでの具体的な手続きの流れや、準備すべき書類について、わかりやすく解説していきます。
特に複雑な、事故相手がいる場合の解説をします。
事故発生の報告
まずは保険会社に事故が発生したことを伝えましょう。
保険会社に伝える内容については、上の章にある【保険会社に連絡】で詳しく説明しているので参考にしてみてください。
修理費用の見積もり依頼
事故の報告が済んだら、次は修理費用の見積もりを依頼しましょう。
保険に加入している場合は、保険会社が提携している修理工場を紹介してくれることが多いです。
なお、見積もりにかかる費用は、ほとんどの場合無料です。
ただし、一部の業者では修理代金の数%を手数料として請求されることがあるため、事前に手数料がかかるかどうかはしっかり確認しておきましょう。
示談交渉・保険金の支払い
見積もり金額が出たら、次に過失割合を決めるための示談交渉が行われます。
過失割合は、現場の状況や物的証拠、当事者の主張などをもとに決定されます。
示談がまとまると、保険会社を通じて示談書が交わされ、同意した内容に沿って保険金の請求・支払い手続きが進みます。
なお、保険金の請求には時効があり、事故から3年を過ぎると保険法第95条に基づき請求権が消滅します。
そのため、早めに示談を進め、保険金の請求手続きも忘れずに行いましょう。
事故車修理を依頼できる業者5つと特徴一覧
事故車の修理を依頼できる業者には、実はいくつかの選択肢があり、業者それぞれに得意分野や料金体系、対応スピードなどの特徴があります。
ご自身の車の状態やご希望に合った業者を選ぶ参考にしてみてください。
- ディーラー
- 整備工場
- 板金工場
- カー用品店
- ガソリンスタンド
- ディーラー
ディーラーの大きな特徴は、自動車メーカーの指導を受けているため、サービスの質が高く、純正部品を使って修理を行っている点です。
その分、技術力や対応の丁寧さには安心感があります。
ただし、純正部品を使用することもあり、他の業者に比べて修理費用がやや高くなるケースもあります。
仮に、メーカー保証の期間内であれば、無償で修理してもらえる場合もあるので、保証内容を確認しておくとよいでしょう。
- 整備工場
整備工場は、車検や定期点検だけでなく、事故車の修理にも対応している業者です。
メーカーや車種を問わず幅広く対応しているところが多く、リサイクルパーツを使ってコストを抑えた修理を提案してくれることもあります。
ディーラーに比べて修理費用が比較的安く、柔軟に対応してもらえる点が魅力です。
ただし、工場によって技術力やサービスの質に差があるため、実際の利用者の口コミや過去の実績を確認してから依頼するのがおすすめです。
- 板金工場
車のボディに関する修理であれば、板金工場への依頼がおすすめです。
外注ではなく、自社で作業を行うことが多いため、修理が早く終わるケースも多く、費用も比較的抑えられる傾向にあります。
「なるべく早く直したい」という方は、スピーディーな対応が期待できる板金工場を検討してみるのもよいでしょう。
まずは近くの板金工場に、対応内容や費用について相談してみるのがおすすめです。
- カー用品店
カー用品店では、さまざまな車種に対応できるよう汎用性の高いパーツを取り扱っているため、比較的リーズナブルに修理を依頼することができます。
そのため、ちょっとしたキズや部品交換など、軽度な修理にはおすすめの選択肢です。
ただし、フレームのゆがみや大がかりな板金作業など、本格的な修理には対応していない店舗も多いため、修理内容によっては不向きな場合もあります。
まずは修理したい箇所の状態を確認し、適切な業者を選ぶようにしましょう。
- ガソリンスタンド
ガソリンスタンドというと給油する場所というイメージが強いかもしれませんが、実は軽度な修理に対応している店舗もあります。
日頃から利用している場所だからこそ、気軽に相談できるのも魅力です。
ただし、部品の在庫を豊富に揃えているわけではないため、場合によっては取り寄せに時間がかかることもあります。
また、修理サービスの有無は店舗ごとに異なるため、まずは近くのガソリンスタンドに問い合わせてみるとよいでしょう。
このように、ガソリンスタンド、カー用品店、整備工場、ディーラーそれぞれに特徴があり、費用や対応範囲も異なります。
より詳しくそれぞれの修理先のメリット・デメリットを知りたい方は下記の記事をご覧ください。
ぜひご自身の状況に合った修理先を選ぶ参考にしてみてください。

事故車の修理にかかる期間
事故にあった後、気になることの1つが「修理にどれくらい時間がかかるのか」という点ではないでしょうか。
修理の期間は、車の損傷具合や破損した部位、部品の在庫状況などによって大きく異なります。
この章では、主なパーツごとに修理にかかる期間の目安を一覧でまとめました。
損傷部位 | 修理期間 |
エンジン | 数週間~1カ月以上 |
エアバッグ | 数日~1週間程度 |
オルターネーター | 1日~3日程度 |
電飾系(ユニット全体) | 1日~1週間程度 |
フロント/リアガラス | 数時間~1日 |
フロント/リアフェンダー | 数時間~2・3日程度 |
ドア | 3日~1週間程度 |
サスペンション | 1日~1週間以内 |
タイヤ/ホイール | 1日~1週間程度 |
フレーム(骨格) | 2週間~1カ月以上
※重度の場合 |
事故車の修理にかかるパーツ別の費用
事故車の修理にかかる費用は、部位や損傷の程度によって大きく異なります。
修理にかかるパーツ別の費用の目安は以下の通りです。
損傷部位 | 修理(板金) | 交換 |
エンジン | 10万円~20万円程度 | 新品:30万円~100万円以上
リビルト:15万円~50万円 |
エアバッグ | 展開後は全交換 | 15万円~(センサー含む) |
オルターネーター | 部分交換:1万円未満 | 新品交換:5万円~12万円
リビルト:2万円~7万円 |
電飾系(ユニット全体) | ー | 1万円~10万円程度 |
フロント/リアガラス | 1.5万円~3万円程度 | 2万円~15万円程度 |
フロント/リアフェンダー | 3万円~5万円程度 | 3万円~10万円程度 |
ドア | 3万円~5万円程度 | 10万円~(車種・配線損傷による) |
サスペンション | 1.5万円~3万円程度 | 数千円~2万円程度 |
タイヤ/ホイール | 1,500円~5,000円程度(1本) | 40万円~100万円以上(車種による) |
フレーム(骨格) | 10万円~100万円程度 | 40万円~100万円以上(車種による) |
パーツごとの具体的な費用や事故車の修理が高額になる理由については、下記の記事で詳しく解説していますのでぜひご覧ください。

事故車を修理する際の注意点
事故車を修理する際に注意すべきポイントを2つ紹介します。
ポイントを押さえて、あとで修理したことを後悔しないようにしましょう。
- 修復歴がついて売却時に値段が安くなる可能性
- 保険を利用すると翌年からの保険料が増額
修復歴がついて売却時に値段が安くなる可能性
修復歴がある車は、将来の売却時に査定額が通常より1.5割〜3割程下がる傾向があります。
しかし、すべての部品修理で修復歴がつくわけではありません。
下記のパーツを修理したときの修復歴がつきます。
パーツ | 解説 |
フレーム | 車全体を支える基本構造部分 |
フロントインサイドパネル | 車体前方の内部側にある構造パネルで、エンジンルーム周辺の骨格 |
ルームフロアパネル | 車内の床を構成する鋼板部分で、座席の土台となるパネル |
フロントクロスメンバー | 車体の骨格を構成する、フロント部に設置された部分 |
トランクフロアパネル | 後部座席とトランクスペースの間を仕切る床面パネル |
ピラー | 車の骨組み |
ダッシュパネル | エンジンルームと車内空間を隔てている場所の板 |
ルーフパネル | 車の上部、天井部分を構成する外板 |
保険を利用すると翌年からの保険料が増額
事故の際に自動車保険を利用すると、翌年以降の保険料が高くなります。
これは「等級制度」という仕組みによるもので、事故を起こし保険を使うと一般的に等級が3つ下がり、保険料の割引率が大きく減少します。
たとえば、20等級であればおよそ60%の割引が適用されますが、3等級下がると保険料が30〜40%程度上がることもあります。
そのため、小規模な損傷や軽度の修理であれば、あえて保険を使わず自己負担で修理するというのも選択肢の1つです。
保険利用は一時的なメリットがある一方で、長期的なコストがかかる可能性があることを理解しておきましょう。
まとめ
事故にあった直後は、「まず何をすればいいのか」「どこに連絡すればいいのか」など不安や戸惑いがつきものです。
しかし、修理までの一連の流れを事前に知っておけば、冷静に対処しやすくなります。
この中でも、見積もり取得や業者選びは、修理の質や費用に大きく関係するポイントです。
各業者には得意分野があるため、ご自身の状況に合わせて選ぶことが大切です。
また、事故車を修理か手放すかで迷っている方は一度事故車買取のタウにご相談ください。
当サイト事故車買取のタウでは事故車を専門に取り扱っています。
累計買取実績は業界最多を記録しており、長年の経験と豊富な知識を併せ持ち海外にも独自の販路を築き上げているため、どんな状態のお車でも可能な限り高価買取を実現させていただきます。
事故車の損傷が大きいからという理由で売却を諦めるのではなく、まずお気軽にお問合せ・ご相談ください。
事故車買取に携わって20年以上の経験を持ち、損害車や故障車に関する知識が豊富。
幼少期からの車好きが高じて、中古車販売店や大手カー用品店、ガソリンスタンドなどに従事し、
車の知見も深い。その経験を活かし、お得な売却術や修理・乗り換え方法など車に関する幅広いコラムの監修をしている。
小池 一敏