車検前や車の売却・廃車手続きのタイミングで、「自賠責保険証が見つからない」「そもそもどの書類のことかわからない」と不安になる方は少なくありません。
自賠責保険証は、車に備え付けておくべき重要な書類です。
見つからないまま放置すると、車検や売却手続きが進まなかったり、走行時に罰則の対象になったりする可能性があります。
この記事では、次のポイントを整理して解説します。
「車検が近いのに書類がない」「自賠責保険証がどこにあるかわからない」という方は、まずこの記事を読みながら、探す場所と必要な対応を順番に確認していきましょう。
岩淵 俊
中古車仕入業に20年以上携わり。これまでに10,000台を超える事故車・故障車の査定を担当。 趣味で古い車を所有し、整備や修理を行うなど、車に対する深い理解と実践的な経験も豊富。 長年の現場経験で培った確かな査定力と幅広い車両知識を活かし、愛車を納得して手放せるよう車に関する正しい情報と実践的なアドバイスをわかりやすく発信。 ...続きを読む
自賠責保険証とは?

「自賠責保険証」とは、自賠責保険に加入していることを証明する書類です。
正式名称は「自動車損害賠償責任保険証明書」といいます。
新車購入時や車検の更新時に自賠責保険料を支払うと、紙の証明書が発行されます。
また、令和6年11月の法令改正以降は、保険会社や契約内容によってPDFデータで交付される場合もあります。
自賠責保険証は、車を廃車した後に自賠責保険を解約する上で必要になりますので、紛失しないように保管しておく必要があります(詳細は後述)。
ここでは、自賠責保険証が必要な理由と、具体的な記載内容についてご紹介します。
自賠責保険証が必要な理由
自賠責保険証は、その車が法律上必要な保険に加入していることを示す重要な書類です。
自動車損害賠償保障法第5条では、自動車は自賠責保険または共済に加入していなければ運行できないと定められています。
もし、加入していなければ、法律違反となり罰則の対象です。
罰則について詳しくは、後述の「走行時は自賠責保険証の携帯が必要」で解説します。
また、自賠責保険証は車検とも深く関係します。
一般的な乗用車では、新車登録後3年、その後は2年ごとに車検を受けます。
その際、有効な自賠責保険に加入していることを確認されるため、保険期間が切れていたり、証明書を確認できなかったりすると、車検手続きが進まない可能性があります。
自賠責保険証の記載内容
自賠責保険証には、契約している保険の内容や、対象となる車両の情報が記載されています。
| 確認項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 保険期間 | 有効期限が切れていないか |
| 証明書番号 | 保険会社への問い合わせ時に照会番号として使えるか |
| 車両情報 | 登録番号、車台番号などが車検証と合っているか |
| 契約者情報 | 契約者名や住所に大きな相違がないか |
| 保険会社名 | 問い合わせ先の保険会社はどこか |
最初に確認すべきなのは「車両情報」と「保険期間」です。
登録番号や車台番号が車検証と一致していれば、その車にかけられている自賠責保険だと判断できます。
次に、保険期間を確認しましょう。
車検日や走行予定日に有効期限が切れていないかを見ておくことで、車検前や運転前のトラブルを防ぎやすくなります。
自賠責保険証が見つからないときの探し方
「自賠責保険証はどこにあるのか」と迷ったら、まず車検証ケースを確認してください。
多くの場合、車検証や整備記録簿と一緒に保管されています。
車検証ケースを探しても自賠責保険証が見つからない場合は、次の順番で探すのがおすすめです。
- 車検証ケースの中
- ダッシュボードの中
- メンテナンスノートや保証書のあいだ
- 納車時にもらった書類一式
- 自宅で保管している車関係のファイル
- 車検を依頼した店舗や販売店から受け取った封筒
やみくもに探すよりも、保管されている可能性が高い場所から確認すると、短時間で見つけやすくなります。
なお、車検証ケースの裏ポケットや、納車書類の封筒など見落としやすい場所に入っていることもあります。隅々まで注意深く確認することが大切です。
探しても見つからない場合は、紛失している可能性があるので、早めに再発行の準備へ進みましょう。
自賠責保険証の使い道とない場合のリスク
自賠責保険証がないと、手続きが止まったり、罰則の対象になったりするおそれがあります。
| 使う場面 | 必要な理由 |
|---|---|
| 車検時 | 有効な自賠責保険への加入を確認するため |
| 走行時 | 法律上、車両に備え付ける必要があるため |
| 事故時 | 保険会社や契約内容を確認するため |
| 売却時 | 契約内容や引き継ぎを確認するため |
| 廃車後 | 解約返戻金の申請で必要になる場合があるため |
ここでは、自賠責保険証をいつ使うのか、持っていない場合はどのようなリスクがあるかを整理します。
車検を受けるときに自賠責保険証の原本が必要
車検では、有効な自賠責保険に加入していることを確認するため、自賠責保険証の原本提出を求められるのが一般的です。
紙の自賠責保険証が発行されている場合、原則として原本の確認が必要です。
コピーでは正式な証明として扱われない可能性があります。
なお、PDF証明書など電子交付を受けている場合は、車検を依頼する業者に事前に必要な提示方法を確認しておきましょう。
車検直前に自賠責保険証が見つからないと、再発行や確認に時間がかかり、予定していた車検日に間に合わない可能性があります。
走行時は自賠責保険証の携帯が必要
車を運転するときは、車内に自賠責保険証を備え付けておく必要があります。これは自動車損害賠償保障法第8条で定められている義務です。
自賠責保険証を備え付けていない場合と、自賠責保険そのものの期限が切れている場合では、リスクの重さが異なります。
| 状態 | 主なリスク |
|---|---|
| 自賠責保険証を備え付けていない | 30万円以下の罰金の対象となる可能性 |
| 自賠責保険の期限が切れている | 1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金、違反点数6点の対象 |
交通違反の点数一覧表|警視庁
不携帯は「有効な自賠責保険には加入しているが、証明書を車に備え付けていない状態」です。
一方で、期限切れは「運行に必要な自賠責保険に加入していない状態」のため、より重い処分につながります。
なお、電子の自賠責保険証に対応している場合は、スマートフォンなどでPDF証明書を表示できれば、紙の証明書の代わりになる場合があります。
ただし、電池切れや通信環境の問題で提示できないと、不携帯と判断されるおそれがあります。電子で保管する場合も、すぐ表示できる状態にしておきましょう。
交通事故が起きたときにも、自賠責保険証は重要です。
保険会社や契約内容が確認できないと、被害者への保険金請求手続きが遅れる可能性があります。
事故対応をスムーズにするためにも、車内で確認しやすい場所に保管しておきましょう。
車の売却・廃車手続き時に提出が必要
車を売却または廃車にする場合も、自賠責保険証の提出が求められます。
まず売却時に必要な理由ですが、自賠責保険が車両に対してかけられているため、契約内容の確認や契約者変更の手続きが必要になることがあります。
そのため、買取業者や販売店から自賠責保険証の提出・確認を求められる場合があります。
もし、自賠責保険証が紛失して見つからない場合、買取業者や販売店で契約の確認が必要になり、手続きがスムーズに進まない可能性があります。
続いて廃車時に必要なタイミングですが、自賠責保険の解約返戻金(一般に還付金と呼ばれることもあります)を申請する際に提出が求められます。
自賠責保険は、車検期間をカバーする期間分の保険料をまとめて支払うことが一般的です。 廃車にする時期によっては、1か月以上有効期限が残っている場合があります。
なお、解約返戻金は自賠責保険の解約日を起点に月割で算出するため、手続きが遅れて月をまたぐと、受け取れる金額が減る点には注意が必要です。
たとえば12月まで保険期間が残っている場合、8月末に解約手続きが完了すれば、残り期間に応じた返戻金を月割で受け取れる可能性があります。
実際の金額は保険会社の計算により決まります。
返金額の目安を知りたい方は、「自賠責保険解約返戻金早見表」の記事も確認してください。

また、自賠責保険証を紛失している場合は、再発行を行いましょう。
買取業者によっては、委任状を提出することで再発行や関連手続きを代行してくれる場合があります。
手続きの時間が取れない方や、廃車予定の車で書類がそろっていない方は、買取業者に相談してみましょう。
自賠責保険証を再発行する方法
自賠責保険証を紛失した場合は、契約している保険会社で再発行手続きを行います。
ディーラーや車検を依頼した店舗から申請できるケースもありますが、最終的な発行は契約している保険会社の扱いになります。
方法は主に以下の3つがあります。
| 申請方法 | 発行形態 | 発行スピード | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| 保険会社窓口 | 紙 | 即日~数日程度 | 急いでいる人 |
| 保険会社郵送 | 紙 | 1~2週間程度 | 窓口へ行けない人 |
| Web手続き | 紙またはPDF | PDF交付は即日〜数日程度 | 電子交付でもいい人 |
急ぎなら窓口、来店が難しいなら郵送が選択肢になります。
再発行にかかる日数や費用は、保険会社や申請内容によって異なります。
車検日が近い場合は、最初に保険会社へ連絡し、最短で受け取れる方法を確認しましょう。
ここからは、自賠責保険証の再発行手順、必要書類、保険会社がわからない場合の確認方法を順に解説します。
自賠責保険証再発行の流れ
自賠責保険証の再発行は、以下の3ステップで進みます。
- 保険会社を確認する
- 再交付申請書を提出する
- 紙またはPDFで証明書を受け取る
最初にやるべきことは、どの保険会社で自賠責保険に加入しているかを確認することです。
保険会社がわかれば、対応している再発行の申請方法を確認できます。
自賠責保険証の再発行時に必要な書類
自賠責保険証を再発行するときは、本人確認書類や車両情報がわかる書類を用意します。
保険会社によって細部は異なりますが、一般的には以下のとおりです。
- 契約者の本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード、その他公的証明書)
- 契約者の印鑑(保険会社によって必要。シャチハタ不可)
- 自賠責保険証再交付申請書(保険会社の窓口やWebサイトで入手可能)
- 車検証(必要に応じて)
必要書類が不足していると、再発行に時間がかかります。
申請前に保険会社へ電話し、必要書類と受取方法を確認してから手続きしましょう。
保険会社がわからないときの確認方法
加入している保険会社がわからない場合は、車の購入店や車検を通した工場に確認してみましょう。
過去に手続きをした店舗に記録が残っている可能性があります。
確認先の目安は以下のとおりです。
- 前回車検を依頼した整備工場やディーラー
- 車を購入した販売店
- 納車時の書類一式
- 車検証ケースに入っている領収書や控え
- 任意保険や整備記録のファイル
それでも保険会社が特定できない場合は、心当たりのある保険会社へ車両情報を伝えて確認する方法があります。
売却や廃車を予定している場合は、買取業者に相談し、手続きの進め方を確認するのも選択肢です。
自賠責保険を解約する方法
自賠責保険の解約は、契約している保険会社の窓口や郵送で手続きします。
保険会社によっては、One-JIBAIなどを利用してWeb上で解約手続きができる場合もあります。
販売店やディーラーが手続きを案内・代行してくれる場合もありますが、解約の手続き先は契約している保険会社です。
契約している保険会社のサポートデスク等へお問い合わせください。
また、申請の際は下記の必要書類を準備してください。
- 自動車損害賠償責任保険承認請求書(保険会社の窓口やWebから入手)
- 自賠責保険証(紛失している場合は本人確認書類などで確認する場合がある)
- 廃車またはナンバープレートの返納を証明する公的な書類(登録事項等証明書、一時抹消登録証明書、登録識別情報等通知書、検査記録事項等証明書、自動車検査証返納証明書など)
- 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
- 振込先口座情報(契約者の名義の口座)
なお、自賠責保険を解約するには、前提としてすでに廃車の手続きが完了している必要があります。
廃車手続きに関して確認したい方は、下記の記事も参考にしてください。

自賠責保険証の発行に関するよくある質問
ここでは、自賠責保険証の発行や再発行に関して、よくある疑問を簡潔に整理します。
車検前や売却前に確認したいポイントをすぐ見返せるようにまとめています。
Q1.自賠責保険証はいつもらえる?
A1.自賠責保険証は、自賠責保険に加入したときに発行されます。
車を購入した場合は販売店やディーラー、車検を受けた場合は、整備工場などから車検証などの書類と一緒に渡されることが一般的です。
紙の証明書で受け取る場合もあれば、PDFなどの電子データで交付される場合もあります。(※対応している保険会社・契約に限る)
車検後に書類を受け取ったら、自賠責保険証が含まれているか確認しましょう。
あとで探しやすいように、車検証ケースや車関係の書類ファイルにまとめて保管しておくと安心です。
Q2.自賠責保険証をもらってない場合はどうしたらいい?
A2.自賠責保険証をもらっていないと思った場合は、まず車を購入した店舗や車検を依頼した業者に確認しましょう。
実際には、車検証ケースや納車書類のなかに入っているものの、ほかの書類に紛れて気づいていないケースもあります。まずは車内と書類一式を確認することが大切です。
また最近では、紙媒体ではなく電子データで交付されることもあります。メールやSMSでPDF証明書の案内が届いていないかも確認しましょう。
それでも見つからない場合は、契約している保険会社に連絡し、発行状況や再発行の可否を確認してください。
Q3.名義変更した場合は再発行が必要?
A3.名義変更をした場合、証明書の記載事項に変更が生じるため、保険会社で契約者変更や記載事項変更の手続きが必要になる場合があります。
自賠責保険は車両に紐づくため保険期間内であれば契約自体は継続されますが、証明書の情報が古いままだと、売却・廃車・再発行時に確認が必要になることがあります。
売却や譲渡で所有者が変わった場合は、自賠責保険の名義変更や契約情報の変更が必要か、保険会社や販売店に確認しましょう。
手続きの要否は状況によって異なるため、証明書の記載内容と現在の車両情報を照らし合わせて確認することが大切です。
Q4.自賠責保険証の提示はコピーでも可能?
A4.自賠責保険証は、原則として原本での備え付けや提示が必要です。
コピーは正式な証明書として扱われない可能性があります。
紙の証明書を紛失した場合は、コピーで代用しようとせず、保険会社に再発行を依頼しましょう。
電子交付に対応している場合は、PDF証明書をスマートフォンなどで表示することで紙の証明書の代わりになる場合があります。
ただし、車検時に紙の証明書が必要と言われる場合があるため、車検前には必ず依頼先へ確認してください。
まとめ
自賠責保険証とは、車を運行するために加入が義務づけられている自賠責保険への加入を示す「自動車損害賠償責任保険証明書」のことです。
自賠責保険証を携帯していないと罰則の対象になる可能性があるうえ、事故時の保険金請求手続きにも時間がかかるおそれがあります。
また、車検を受ける際や車の売買手続きにも必要になる重要な書類です。
紛失した場合は、ダッシュボードや車検証ケースなど車関連の書類を保管している場所を順に確認しましょう。
探しても見つからない場合は、契約している保険会社で再発行手続きを行います。
保険会社がわからないときは、前回車検を依頼した業者や車を購入した販売店に確認するとよいでしょう。
車検や廃車が近い場合は、手続きが遅れるほど不利益が出る可能性があるため、早めに対応しましょう。
自分で手続きする時間がない方や、書類がそろっているか不安な方は、廃車買取業者に相談し、必要書類の確認や手続き代行の可否を確認してみてください。
弊社タウでは、廃車を買い取らせていただくお客様の手続きをサポートしており、自賠責保険の解約を含めた書類対応についてもご相談いただけます。
廃車手続きや各種書類の取り扱いについてご不明点がある場合は、タウまでお気軽にお問い合わせください。
岩淵 俊
中古車仕入業に20年以上携わり。これまでに10,000台を超える事故車・故障車の査定を担当。 趣味で古い車を所有し、整備や修理を行うなど、車に対する深い理解と実践的な経験も豊富。 長年の現場経験で培った確かな査定力と幅広い車両知識を活かし、愛車を納得して手放せるよう車に関する正しい情報と実践的なアドバイスをわかりやすく発信。
