「車が真っ直ぐ走らない」
「修理費が高額で驚いた」
そんな不安を抱えてこの記事にたどり着いた方も多いのではないでしょうか。
フレームとは車の骨格にあたる部分で、家で言えば柱や土台のようなものです。
見た目では目立った損傷が見られなくても、フレームのゆがみは安全性や走行性能に大きく影響し、重大な事故につながる可能性があります。
そのため、正しい知識をもとに修理と買い替えを比較して判断することが大切です。
この記事では、修理費用の目安や、修理と買い替えを比較して判断するポイントについて詳しく解説します。
フレームを損傷して修理か買い替えかでお悩みの方は、ぜひご参考にしてください。

事故車買取に携わって20年以上の経験を持ち、損害車や故障車に関する知識が豊富。 幼少期からの車好きが高じて、中古車販売店や大手カー用品店、ガソリンスタンドなどに従事し、 車の知見も深い。その経験を活かし、お得な売却術や修理・乗り換え方法など車に関する幅広いコラムの監修をしている。 ...続きを読む
フレームの修理費用は最低10万円
車のフレーム修理と言っても、損傷箇所によって修理費用は異なり、最低でも10万円以上かかります。
以下に部位ごとの修理費用の目安をまとめましたので、どの部分が高額になりやすいかを把握しておきましょう。
フレーム部位 | 損傷例 | 修理費用の目安 |
フロントサイドメンバー | 前方衝突でのゆがみ | 15万~40万円 |
---|---|---|
リアフレーム | 追突での変形 | 20万~50万円 |
クロスメンバー | 段差越えや下からの衝撃 | 10万~30万円 |
ピラー(柱部分) | ドア周辺のゆがみ | 30万~70万円 |
フロアパネル | 車体底部の大きなゆがみ | 40万~100万円超 |
※修理費用は修理方法や車種によって変動します。
なお、10万円以下で済むことはほぼなく、実際には数十万円から100万円超に達するケースも珍しくありません。
修理費用が高額になる最大の原因は、部品代そのものではなく、分解や組み立てにかかる工賃(作業費)です。
フレーム修理では損傷箇所周辺の多くのパーツを一度取り外し、ゆがんだフレームをミリ単位で修正し、再び組み立てるという手間がかかります。
そのため、どうしても金額が上がってしまいます。
特に大きな衝撃を受けている場合は、フレーム以外のパーツ交換や塗装費用も加わり、費用の総額はさらに高くなります。
また、フロントやリアフレームの修理は比較的安価に収まる場合もありますが、ピラーやフロアパネルの損傷は高額になりやすい傾向にあります。
修理を検討する際は、見積もりを受け取ったときに「どの部位にどのくらい費用がかかっているのか」を必ず確認し、内容に納得したうえで依頼することが大切です。
なお、フレーム各部位の名称や位置について詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
投稿が見つかりません。次章では、修理を依頼する業者のタイプごとの特徴を比較し、費用と仕上がりのバランスをどう見極めればよいかを解説していきます。
費用・期間と仕上がりのバランスで選ぶ業者タイプ
車のフレームの修理は、依頼する業者によって費用・仕上がり・期間が大きく変わります。
以下に代表的な4つの修理業者の特徴を比較しました。
業者タイプ | 値段 | 技術力 | 対応できる傷の大きさ | スピード |
カー用品店 | ◎安価 | △限られる | △こすり傷やへこみのみ対応可能 | ◎早い(即日対応も可能) |
---|---|---|---|---|
板金塗装屋 | 〇中程度 | 〇業者による | ◎大きな損傷まで対応可能 | 〇損傷の程度による |
修理工場 | 〇中~高額(状態次第) | 〇業者による | ◎大きな損傷まで対応可能 | 〇損傷の程度による |
ディーラー | △高額になりやすい | ◎非常に高い | ◎大きな損傷まで対応可能 | 〇傷の程度による |
それぞれの業者の特徴を理解し、自分の状況に最適な選択をすることが大切です。
それでは、損傷の程度別に各業者の具体的な特徴を解説いたします。
車のフレームにこすり傷ができた場合に依頼する業者
軽度なキズを修理する場合は、カー用品店がおすすめです。
カー用品店に依頼する場合のメリットとデメリットは以下のとおりです。
メリット | デメリット |
修理費用が低価格 | 修理作業の対応範囲が狭い |
スピード対応 | 仕上がり精度に限界あり |
カー用品店は、値段が安く、修理スピードが速い点が大きな特徴です。
多くの場合、当日中に作業が完了するため「急いで直したい」「費用を抑えたい」という人には向いています。
さらに技術面では専門業者に比べて精度が劣るため、「とりあえず見た目を整えたい」という方には有効ですが、安全性や耐久性を重視する方は板金塗装屋やディーラーでの修理を検討する必要があります。
続いては中程度のフレームのキズを修理する場合のおすすめ業者を紹介します。
車のフレームに歪みが生じている場合に依頼する業者
中〜重度のフレーム損傷を修理する場合は、板金塗装屋や修理工場、ディーラーが適しています。
依頼した場合のメリットデメリットは以下のとおりです。
業者タイプ | メリット | デメリット |
板金塗装屋 | 中古、リビルト活用で修理費用を調整しやすい | 職人の技術力によって仕上がりの差が大きい |
---|---|---|
修理工場 | フレーム修理に加え、車検適合など数値をもとに修理可能に対応可能 | 工場ごとで設備環境や技術力に差がある |
ディーラー | 純正部品の使用と充実な保証制度あり | 塗装など見た目に関わる部分の技術力は板金塗装屋に劣る |
板金塗装屋や修理工場では、修理内容に関する選択の幅が広く、予算に応じて修理と交換どちらで対応するか調整できます。
たとえば、純正部品ではなく中古部品やリビルト品(再生部品)を使うことで費用を下げたり、パーツごとに修理で済む箇所と交換が必要な箇所を分けて組み合わせるといった柔軟な対応が可能です。
そのため、修理費用を抑えたい人に向いています。
修理工場での修理に関しては、下記の記事を合わせてご確認ください。

一方、仕上がりのきれいさや修理後の車の安全性を重視する人は、ディーラーに依頼することをおすすめします。
ディーラーでは車を製造する際に決められているメーカー基準があり、フレームの寸法などはそのメーカー基準を満たせるように修理も行われていきます。
また、修理方法も車種ごとに手順などが細かく決められています。
そのため、仕上がりの質が高く、修理後の不具合も起きにくいので安心できます。
ディーラーでの修理に関しては、下記の記事を合わせてご確認ください。

次章では、修理にかかる期間の違いについて掘り下げ、生活への影響を踏まえた判断ポイントを解説します。
なお、フレーム修理には数十万円から100万円以上かかるケースもあり、修理後は「修復歴車」となって査定額が大きく下がります。
もし、修理費用の負担が大きすぎると感じた場合は、修理ではなく事故車専門の買取サービスに売却するという選択肢も検討しましょう。
フレームの修理期間は損傷具合で変動
フレームの損傷程度により、修理にかかる期間は大きく異なります。
損傷計測(3D測定)と分解後の追加損傷判明によって具体的な期間は増減しますが、一般的な修理期間の目安は以下のとおりです。
損傷の度合い | フレームの修理期間 | 特徴 |
軽度(こすり傷程度) | 1〜2日 | 短期間で完了するケースが多い |
---|---|---|
中度(1箇所のゆがみ) | 2〜5日 | 部品の脱着や板金作業が必要でやや時間がかかる |
重度(複数箇所のゆがみ) | 1ヶ月前後 | フレーム交換や塗装を伴い、時間と費用がかかる |
表から分かる通り、損傷が大きいほど費用と期間は比例して増える傾向にあります。
特にフレーム交換が必要な場合は、部品の取り寄せや塗装工程が加わるため、納期が大きく延びます。
そのため、修理を検討する際には「費用」だけでなく「期間」も必ず確認し、生活にどのような影響が出るのかを想定しておきましょう。
代車サービスの有無も比較検討に含めると安心です。
次章では、フレームの構造によって修理方法や影響がどう変わるのかを具体的に解説していきます。
フレームの構造による修理方法と影響
フレーム修理では、車の構造の違いが修理費用や作業方法に大きく影響します。
一般的に自動車のフレームは「ラダーフレーム構造」と「モノコック構造」の2種類があり、それぞれ特徴が異なります。
フレームの種類によっても破損のしかたや修理による影響は変わってくるため、それぞれの構造について知っておくことをおすすめします。
ここからは、それぞれの構造の特徴と修理における注意点を詳しく見ていきましょう。
ラダーフレーム構造
ラダーフレームは、はしご(ラダー)のように縦と横のフレームを組み合わせた構造です。
主にSUVやトラックなど耐久性と補修のしやすさを重視する車に採用されています。
代表的なラダーフレーム構造の国産乗用車として、トヨタのランドクルーザーやスズキのジムニー、三菱のパジェロがよく挙げられます。
ラダーフレーム構造は、一般的な乗用車に採用されるモノコック構造(車体とフレームが一体化した造り)と異なり、フレーム部分が車体から独立しています。
そのため、損傷した箇所だけを切り離して、新しいフレームを溶接する部分交換が可能で、修理の自由度が高いのが特徴です。
例えば、フロント部分が正面衝突でゆがんだ場合でも、損傷箇所だけを交換することで、費用を比較的抑えられるケースがあります。
ただし、クロスメンバー(左右の骨格をつなぐ横棒)やフロアパネル(床部分)まで損傷が及ぶと修理費用は一気に高額化し、数百万円近くに達するケースもあります。
そのため、高額な修理費用がかかる場合は、あとどのくらい乗り続けるかや将来の資産価値などを加味して、修理と買い替えのどちらが合理的かを見極めることが重要です。
モノコック構造
モノコック構造は、車体とフレームを一体化させた造りで、現在の乗用車の多くに採用されています。
代表的な国産車としては、トヨタ・プリウス、ホンダ・フィット、日産・セレナなどがあります。
事故の際は、フレーム全体で衝撃を分散して受け止めるため、安全性が高いのが特徴です。
そのうえ、車体が軽量で燃費性能に優れています。
一方で、フレーム部分が損傷すると周囲のボディも同時にゆがむため、部分的な修理が難しく、フレームごと交換になるケースが多いというデメリットがあります。
その結果、修理費用は軽度の損傷でも高額化しやすい傾向にあります。
例えば、前方からの衝撃でフロントピラー(前の柱部分)がゆがんだ場合、フロントピラーのみを取り外すことは困難であり、ボディ全体の修復や交換作業が必要になります。
このように、モノコック構造は安全性や走行性能に優れている反面、ひとたび損傷すると修理費用や手間が大きくなります。
事故により車のフレームがゆがんでしまった場合は、修理費用や期間、将来性などから修理するか買い替えるかを総合的に判断することが大切です。
車のフレームがゆがんだ場合に起きる症状
車のフレーム(骨格)は走行時の安定性を支える土台であり、少しのゆがみでも危険につながるおそれがあります。
フレームにゆがみが生じた場合に現れる主なサインは以下のとおりです。
- 直進走行時にハンドルが取られる
- 片側のタイヤだけ極端に摩耗する
- ドアやボンネットの開閉にしにくくなる
- 走行時に振動やがたつきが出る
- 段差を越えるときにきしみ音や金属音がする
特に代表的なのは、直進走行時にハンドルが取られる症状で、フレームのずれによって車輪の角度(アライメント)が狂い、真っすぐ走れなくなります。
その延長としてタイヤの接地面が均等でなくなるため、片側のタイヤだけ極端に摩耗することがあります。
タイヤの摩耗が進めば寿命が短くなるだけでなく、最悪の場合はバーストして車両のコントロールを失い、事故につながる恐れがあります。
さらにフレームがずれるとドアやボンネットの開閉がしにくくなります。
無理に開閉するとヒンジやロック部分が破損しかねないので注意が必要です。
こうした歪みは走行する過程で車全体のバランスにも影響を与え、サスペンションやエンジンマウントへの負担が増し、振動や異音が発生する原因となります。
振動や異音は金属部分が正しくかみ合わず干渉しているときに生じるので、放置すると走行に関わる主要部品の劣化を早める可能性もあります。
一見すると小さな不具合に思えますが、実際にはフレームのゆがみが原因であることが多く、応急的な整備では解決しません。
特に走行中の直進性の異常やドアの隙間は典型的なサインであり、早急な点検が必要です。
フレームのゆがみは目視での判断が難しいため、異変を感じたら必ず専門工場で診断を受けましょう。
フレーム修正機や3D計測器を備えた工場であれば、数ミリ単位の狂いも確認できます。
ここで得た診断結果が、その後の修理や買い替え判断の大きな手掛かりになります。
信頼できる修理工場の3つの見極めポイント
車のフレーム修理は、どの工場に依頼するかで仕上がりの精度や安全性が大きく変わるため、業者選びは慎重に行う必要があります。
信頼できる修理工場を見極めるための重要なポイントは大きく4つあります。
- フレーム修正機や3D測定器を保有しているか
- 見積もりの内訳が明確か
- 修理保証制度があるか
- 車のフレーム修理実績が豊富か
これらの条件を満たしているかどうかを確認することが、工場選びにおいて最初の判断基準となります。
例えば、フレーム修正機や3D計測器を備えていない工場では、フレームをミリ単位で正確に直すことは不可能です。
冒頭でもお伝えした通り、フレームは車の土台部分であるため、修理の精度が低ければ走行上の安全性が脅かされます。
そのため、過去の修理事例や施工写真を公開している工場を探し、整備士の技術力や設備面を確認することは必須です。
さらに、修理費用の見積もりが「一式」といった曖昧な表記ではなく、部品代・工賃・塗装代などを細かく明示しているかも重要です。
内訳がはっきりしていれば、不要な費用の発生を避けることができ、安心して依頼できます。
最後に、修理後の保証制度も工場の信頼性を測る材料となります。
こうした3つの視点を踏まえて工場を比較検討することで、余計な出費を避けながら、高品質な修理を受けられる可能性が高まります。
フレームが歪んだ車は手放す選択肢も有効
フレーム修理は高額かつ長期間に及ぶため、必ずしも直すことが正解とは限りません。
特にフレームを修理して修復歴がつくと、中古市場での査定額が大幅に下がります。
修理後しばらくしてから車を売却した場合、修理にかけた費用を回収できないケースが多いです。
そのため、買い替えや売却を現実的な選択肢として検討する価値があります。
手放さず修理する場合と売却する場合には、それぞれ以下のようなメリット・デメリットがあります。
選択肢 | メリット | デメリット |
修理して乗り続ける | 愛着のある車に乗れる/買い替えの手間がない | 高額な修理費用が発生する/修復歴で資産価値が下がる |
---|---|---|
売却して買い替える | 修理費用を抑えられる/次の車の安全性を確保できる | 新車・中古車の購入費用が必要になる/乗り慣れた車を手放すことになる |
つまり、修理後の安全性・市場価値・どのくらい乗り続けるかを基準に考えることが重要です。
修理した方が安心な場合もあれば、売却した方が合理的な場合もあります。
車のキズが査定に与える影響度に関しては、下記の記事をご確認ください。

次の章では「修理か売却か迷ったときの判断ポイント」を具体的に解説し、どんな基準で決めれば損をしないのかを整理していきます。
修理か売却か迷ったときの判断ポイント
フレームの損傷は損傷箇所によっては高額になりやすく、修理費用が車の市場価値を超えてしまうケースが多くあります。
例えば、中古車市場における10年落ちのミニバンの価値は、新車価格の半額以下になる場合が多いと言われます。
一方、ゆがんだフレームの修理費用は損傷の程度にもよりますが、数十万円から100万円前後かかります。
そのため「修理すべきか、それとも売却すべきか」を冷静に判断することが大切です。
判断する際の具体的な基準は以下のとおりです。
- 車両の市場価値と修理費用の比較
- 車の年式と走行距離による将来性を考慮
- 修理後の衝突安全性の低下度合い
- 保険適用の可否
修理後の価値を見込めない場合、売却して次の車に乗り換えた方が結果的に得をすることも珍しくありません。
次章では、売却を選ぶ場合に知っておくべき「事故車専門の買取業者を選ぶメリット」について解説します。
一般的な買取店との違いや、なぜ高額査定が可能なのかを具体的に紹介していきます。
事故車専門の買取業者を選ぶメリット
フレームが損傷した車を売る場合、事故車専門の買取業者に依頼すると高く売れる可能性があります。
一般的な中古車買取店では修復歴車は敬遠されますが、専門業者は独自の再販ルートを所持しており、部品単位での買取も可能なため、査定額が下がりにくいです。
事故車専門業者のメリットは以下の通りです。
- 国内外に修理・部品販売の流通網を持つ
- エンジンがかからない車や事故現状のままでも引き取り可能
- フレーム損傷や修復歴を正しく評価できるノウハウがある
- 基本的にレッカーの手配や売却手続きに費用がかからない
こうした理由から、フレーム修理に100万円以上かけるよりも、専門業者に売却した方が数十万円得をするケースも少なくありません。
もし修理か売却かで迷っているなら、一度事故車専門の業者に無料査定を依頼して、実際の価格を確認してみることをおすすめします。
その結果を踏まえて、最も納得できる選択をしていただければと思います。
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まとめ
フレームの損傷は安全性に直結する重大な問題であり、早急な対応が必要です。
修理費用や期間は損傷度合いによって大きく変動し、時には買い替えや売却の方が合理的な選択となることもあります。
記事全体を振り返り、重要な要点を以下に整理します。
- 車のフレームを損傷した場合、最低10万円以上かかる
- フレームの損傷具合によって依頼する業者を選ぶ
- フレームを損傷すると修復歴がついて修理しても査定額が下がる
フレーム修理は「直すか、手放すか」の判断が将来のコストや安全性に大きな影響を与えます。
もし高額修理に迷っている場合は、まず複数業者に見積もりを取り、修理費用と売却額を比較することが大切です。
特に事故車専門の買取業者なら、修復歴車でも高価査定につながる可能性があります。
当社、事故車買取のタウでは事故車などを専門に買取しています。
独自のノウハウやルートを生かし、フレームが損傷した車でも高価買取を実現しています。
なかには「中古車買取業者より30万円も高く買取ってもらえた」というお客様の声もあります。
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事故車買取に携わって20年以上の経験を持ち、損害車や故障車に関する知識が豊富。 幼少期からの車好きが高じて、中古車販売店や大手カー用品店、ガソリンスタンドなどに従事し、 車の知見も深い。その経験を活かし、お得な売却術や修理・乗り換え方法など車に関する幅広いコラムの監修をしている。