車の足回りから「コトコト」「ギシギシ」といった異音が聞こえると、「このまま乗っても大丈夫なのか」「修理費はいくらかかるのか」と不安になりますよね。
足回りの異音は、車の「走る・曲がる・止まる」を支える重要な部品に不具合が生じているサインです。
場合によっては深刻な故障が隠れているケースもあるため、聞き慣れない音がしたら早めに対処することが大切です。
この記事では、足回りの異音を5つのパターンに分けて、異音の原因・疑われる部品・修理費用の目安をわかりやすく解説します。
まずは自分の車の症状に近いケースを確認し、早めに点検・修理すべき状態かを確認しましょう。
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また、「アクセルを踏んだ時に異音がするんだけど…」という方は下記の記事をご覧ください。

岩淵 俊
中古車仕入業に20年以上携わり。これまでに10,000台を超える事故車・故障車の査定を担当。 趣味で古い車を所有し、整備や修理を行うなど、車に対する深い理解と実践的な経験も豊富。 長年の現場経験で培った確かな査定力と幅広い車両知識を活かし、愛車を納得して手放せるよう車に関する正しい情報と実践的なアドバイスをわかりやすく発信。 ...続きを読む
足回りから異音が聞こえる場合の原因診断
足回りからの異音は、「どんな音か」だけで原因を特定しようとすると、判断を誤りやすくなります。
音は車体に伝わって聞こえるため、運転席で感じた場所と実際の故障箇所が一致するとは限りません。
重要なのは「どんな音か」×「いつ鳴るか」をセットで把握することです。
足回りの部品から聞こえる異音の代表的な原因は以下のとおりです。

足回りの異音は、音の種類と鳴るタイミングを組み合わせて確認することで、原因を絞り込みやすくなります。
まずは自分の症状に近い状況を確認し、異音が続く場合や振動を伴う場合は、早めに整備工場やディーラーで点検を受けましょう。
足回りから聞こえる異音によって車の状態がわかる
足回りから聞こえる異音は、車の状態を知る手がかりになります。
ゴトゴト、キーキーなど、音の種類によって疑われる部品は変わります。
ただし、音は車体に伝わって聞こえるため、運転席で感じた場所と実際の故障箇所が一致するとは限りません。
ここでは、異音の種類ごとに疑われる故障箇所と修理費用の目安を整理します。
| 異音 | 鳴るタイミング | 疑われる故障箇所 | 修理費用目安(工賃含む) |
|---|---|---|---|
| キュッキュッ・ギシギシ | 段差を越えたとき、車体が上下したとき | サスペンション周辺の劣化や摩耗 | 1本あたり7,000円〜5万円程度 |
| ゴトゴト・ガタガタ | 荒れた路面や段差を越えたとき | 足回りや駆動系の部品の劣化や摩耗 | 1箇所あたり1万円〜7万円程度 |
| コトコト | ハンドル操作をしたとき | タイロッドエンドの摩耗や緩み | 1万円〜2.5万円程度 |
| キュルキュル | 低速で走行したとき、発進したとき | 駆動系や回転系の部品の摩耗 | 1.5万円〜15万円程度 |
| キーキー・シャリシャリ | ブレーキを踏んだとき | ブレーキパッドの残量不足 | 1.3万円〜数万円程度 |
| ゴー・ゴロゴロ | 低速〜中速で走行したとき | ベアリングや駆動系部品の異常 | 1箇所あたり1.5万円~3万円程度 |
それぞれについて、以下で詳しく解説していきます。
足回りからキュッキュッ・ギシギシ音が鳴る場合
段差を越えたときに足回りから、キュッキュッ・ギシギシ音が鳴る場合は、サスペンション周辺の劣化・摩耗が疑われます。
サスペンションは路面からの衝撃を吸収して車体の揺れを抑える役割を担っており、劣化すると乗り心地や走行安定性に直接影響します。
具体的には以下の部品が劣化・摩耗している可能性があります。
| 故障箇所 | 修理費用の目安(工賃含む) | 寿命の目安 |
|---|---|---|
| ショックアブソーバー | 1本あたり2.5万円〜5万円程度 | 8万km〜10万km、または10年程度 |
| スタビライザーゴムブッシュ | 1.5万円〜2万円程度 | 5万km〜10万km、または10年程度 |
| スタビライザーリンク | 1本あたり7,000円〜1.5万円程度 | 5万km〜10万km程度 |
ショックアブソーバーが傷むと、段差を越えたあとに揺れが収まりにくくなったり、タイヤが跳ねるような乗り心地になります。左右で劣化の差が出ると車体バランスが崩れやすいため、左右セット交換が基本です。
また分解作業を伴うため、タイヤの向きや角度を直すアライメント調整(別途1万〜3万円程度)が必要になるケースがあります。
スタビライザーのゴムブッシュは、車体の傾きを抑えるスタビライザーの連結部に使われるゴム製の緩衝材です。
劣化して硬くなったり割れたりすると、カーブや段差でギシギシ・コトコト音が発生します。
スタビライザーリンクは、スタビライザーとサスペンションをつなぐ部品で、ガタつきが出ると段差を越えるたびにコトコト音が鳴ります。
ゴムブッシュと同時に劣化していることも多いため、点検時はセットで確認してもらいましょう。
なお、異音が小さくても、段差を越えるたびに繰り返し鳴る場合は、整備工場での点検をおすすめします。
足回りからゴトゴト・ガタガタ音が鳴る場合
走行中にゴトゴト、ガタガタ、コトコトといった音が続く場合は、足回りや駆動系の部品にガタつきが出ている可能性があります。
速度に比例して音が大きくなる、振動をともなう、旋回時に音が強まるといった特徴がある場合は、以下の部品を確認しましょう。
| 故障箇所 | 鳴るタイミング | 修理費用の目安(工賃含む) | 寿命の目安 |
|---|---|---|---|
| ドライブシャフトブーツ | 段差で鳴る | 1箇所あたり1万円〜1.5万円程度 | 5万km〜10万km、または5年程度 |
| ドライブシャフトベアリング | 旋回時に鳴る | 1箇所あたり5万円〜7万円程度 | 10万km〜15万km、または10年〜15年程度 |
| アッパーマウント | 速度に比例して鳴る | 1箇所あたり1.4万円〜2万円程度 | 10万km、または10年程度 |
| タイヤ | 振動もある | 1本あたり2万円〜5万円前後 | 溝4mm以下、または3年〜4年経過 |
ドライブシャフトブーツは、エンジンの回転をタイヤに伝えるドライブシャフトの関節部を保護するゴムカバーです。
破れるとグリスが漏れて内部が摩耗し、初期ならブーツ交換だけで済みますが、放置するとシャフト本体の交換(費用が大幅増)が必要になります。
ドライブシャフトベアリングは、エンジンの動力をタイヤに伝達するドライブシャフトを円滑に動かすための重要な部品です。
これが損傷している場合は、異音に加えて振動が出ることがあります。症状が進むとドライブシャフト本体の交換が必要になり、費用が大きくなりやすいです。
旋回時や加速時に音が強くなる場合は、足回りと駆動系の両方を確認してもらいましょう。
アッパーマウントはサスペンション上部の取付部品です。
劣化すると段差や荒れた路面でゴトゴト・ガタガタ音が出やすくなります。ショックアブソーバーと同時交換すると工賃を抑えられる場合があります。
タイヤの偏摩耗・空気圧不足・内部損傷でも走行中の異音や振動になります。
溝が4mm以下になったら早めの交換を検討し、スリップサインが出る1.6mm未満では走行しないようにしましょう。
ハンドル操作時に足回りからコトコトが鳴る場合
ハンドルを切ったときにコトコト、ガタガタと鳴る場合は、タイロッドエンドに不具合が起きている可能性があります。
| 故障箇所 | 修理費用の目安(工賃含む) | 寿命の目安 |
|---|---|---|
| タイロッドエンド | 1万円〜2.5万円程度 | 5年〜10年、または10万km程度 |
タイロッドエンドは、ハンドル操作をタイヤの向きに伝える操舵系の要となる部品です。
駐車時や右左折時など、ハンドルを大きく切る場面で異音が出る場合は特に注意が必要です。
タイロッドエンドに不具合が起きている場合、足回りから異音が鳴るだけでなく以下のような症状が発生するようになります。
- ハンドルを操作しても、車が思った方向に行かなくなる
- ハンドルと車体に遅れが発生する
タイロッドエンドの不具合を放置し続けると、ハンドル操作に悪影響を及ぼし、車を直進させるのが難しくなってきます。
足回りからキュルキュル音が鳴る場合
足回り付近から「キュルキュル」という音が鳴っている場合、駆動系や回転系の部品に不具合が起きている可能性があります。
MT車では、クラッチの滑りが原因になるケースもあります。
クラッチは、エンジンの力をトランスミッションに伝達する装置のことです。
車の発進や停止、変速を行ったときなど、音が出るタイミングを整理しておくと原因を伝えやすくなります。
| 故障箇所 | 修理費用の目安 | 寿命の目安 |
|---|---|---|
| クラッチ (MT車のみ) | 5万円〜15万円程度 | 7万km〜10万km程度 |
クラッチが滑ると、以下のような不具合が起きることがあります。
- エンジンの回転数が急に上がる
- アクセルを踏んで加速する際、エンジンの回転数だけが上がっていき、速度は上がらなくなる
- ギアがつながりにくくなる
これを放置するとクラッチが焼き付いて走行不能になるおそれがあります。
なるべく早く、プロの点検を受けるようにしましょう。
制動時に足回りからキーキー・シャリシャリ音が鳴る場合
ブレーキを踏んだときにキーキー、シャリシャリ音が鳴る場合は、ブレーキパッドの残量不足が疑われます。
ブレーキは足回りそのものではありませんが、タイヤ周辺から聞こえる異音として感じやすく、安全に直結するため最優先で確認が必要です。
| 故障箇所 | 修理費用の目安 | 寿命の目安 |
|---|---|---|
| ブレーキパッド | 1.3万円〜1.8万円程度 | 3万km〜5万km程度、厚み3mm以下も交換目安 |
| ディスクローター | 1.6万円~ | 5万km〜10万km程度 |
ブレーキパッドとは、ディスクローターを挟み込んで車を減速・停車させる役割を持った部品です。
ブレーキパッドは使用するたびに摩耗が進み、残量が少なくなると金属部分がむき出しになってキーキー音が発生します。
そのまま放置するとディスクローターまで傷つけてしまい、ローター交換まで必要になると修理費用が高額になる可能性があります
ブレーキの不調について詳しくは下記の記事をご確認ください。

足回りからゴー・ゴロゴロ音が鳴る場合
足回りから「ゴー」「ゴロゴロ」といった低い音が聞こえる場合は、ベアリング系の不具合が疑われます。
| 故障箇所 | 修理費用の目安 | 寿命の目安 |
|---|---|---|
| ホイールベアリング | 1本あたり1.5万〜3万円程度 | 10万km前後 |
| ハブベアリング | 1本あたり1.5万〜3万円程度 | 10万km前後 |
ベアリングとは、タイヤをなめらかに回転させるための軸受け部品です。
一般的にはホイールベアリングやハブベアリングと呼ばれ、車種によってはABSセンサーなどの周辺部品と一体化している場合があります。
新しい車両の多くはハブベアリングが採用されています。
ベアリングが劣化すると、走行中にうなり音のような異音が発生します。
タイヤの回転に合わせて音が変化する点が、サスペンションやブッシュ類のきしみ音との違いです。
また、ハンドルを左右に切ったときや、カーブ・車線変更のタイミングで音の大きさが変わる場合も注意が必要です。左右どちらかのベアリングに負荷がかかることで、異音が強く出ている可能性があります。
なお、まれに「ウィーン」「キーン」といった高めの音が鳴ることもあります。
この場合は、ベアリングだけでなく、ドライブシャフトなどの駆動系部品にトラブルが生じている可能性もあります。
ベアリングの異常を放置すると、内部のグリースが劣化して焼き付きを起こし、走行中の振動や車体のふらつきにつながるおそれがあります。
足回りから聞こえる異音を放置した場合のリスク
足回りから異音が聞こえる場合、単なる音の問題ではなく、部品の摩耗や緩みが進んでいるサインの可能性があります。
足回りには「走る・曲がる・止まる」を支える重要な部品が集まっているため、異音を放置すると安全性や修理費用、車の価値にまで影響することがあります。
| リスク | 起こりうること | 放置した場合の影響 |
|---|---|---|
| 安全性の低下 | 操作性の低下、制動力の低下、走行中の異常振動 | 事故につながる可能性が高まる |
| 修理費用の高騰 | 周辺部品まで損傷、交換範囲が拡大 | 修理費用が高額になりやすい |
| 法律・保険面のリスク | 整備不良と判断される可能性 | 事故時の過失割合・保険対応に影響する場合がある |
| 資産価値の低下 | 査定時にマイナス評価 | 売却価格が下がる可能性がある |
特に注意したいのは、音の大きさだけで危険度を判断しないことです。
小さな異音でも、鳴る頻度が増えている、振動を伴う、ハンドルやブレーキの感覚がいつもと違うといった症状がある場合は、早めに点検を受けましょう。
足回りの部品は連動しているため、1箇所の不具合を放置すると周辺部品まで傷み、修理費用が高額になることがあります。
また、不具合を把握しながらそのまま走行を続けると、整備不良と判断される可能性もあります。
万が一事故につながった場合、過失割合や保険対応に影響するケースもあるため、異音や違和感がある場合は早めに確認することが大切です。
さらに、足回りの異音は売却時の査定にも影響します。
異音や振動がある車は、修理が必要な車として見られやすく、買取価格が下がる可能性があります。
修理費が高額になりそうな場合は、修理して乗り続けるか、状態が悪化する前に売却するかを早めに比較しておくと判断しやすくなります。
足回り部品以外の車の修理費用については、下記の記事をご確認ください。

まとめ
足回りの異音が出たときは、音の種類だけで判断せず、「いつ鳴るか」「振動や操作の違和感があるか」を合わせて整理することが大切です。
異音が続く場合や、ハンドル・ブレーキの感覚がいつもと違う場合は、放置せず整備工場やディーラーで点検を受けましょう。
なお、走行距離が多い車や年式の古い車は、足回りの1箇所を修理しても、別の部品が続けて故障することがあります。
修理費用が高額になりそうな場合は、修理して乗り続けるか売却するかを早めに比較検討しておくと、納得感のある判断につながります。
弊社タウでは、故障車・事故車も査定対象で、年間9万台以上の買取実績があります。
足回り異音の修理費と査定額を比べてから判断したい方は、お気軽にお問い合わせください。
岩淵 俊
中古車仕入業に20年以上携わり。これまでに10,000台を超える事故車・故障車の査定を担当。 趣味で古い車を所有し、整備や修理を行うなど、車に対する深い理解と実践的な経験も豊富。 長年の現場経験で培った確かな査定力と幅広い車両知識を活かし、愛車を納得して手放せるよう車に関する正しい情報と実践的なアドバイスをわかりやすく発信。
