タイヤのパンク処理は、できる限り安い価格で済ませたい方も多いでしょう。
実は、JAFや自動車保険のロードサービスでは、車にスペアタイヤを積んでいる場合、無料でタイヤ交換をしてくれるケースがあります。
「少しの距離なら大丈夫」とパンクしたまま走行を続けるのは、タイヤの破裂や発火につながり、非常に危険です。
この記事では、
について解説します。
パンクした際の対処法に加え、持ち込み先や費用感を解説した動画もご用意したので、あわせてご確認ください。
また、パンク時に知っておきたい危険性や未然に防ぐための安全点検の方法については、パンクしたまま走るのは危険?パンク時の危険性とトラブルを未然に防ぐ方法を解説【夏は特に注意】の動画を参考にしてみてください。
岩淵 俊
中古車仕入業に20年以上携わり。これまでに10,000台を超える事故車・故障車の査定を担当。 趣味で古い車を所有し、整備や修理を行うなど、車に対する深い理解と実践的な経験も豊富。 長年の現場経験で培った確かな査定力と幅広い車両知識を活かし、愛車を納得して手放せるよう車に関する正しい情報と実践的なアドバイスをわかりやすく発信。 ...続きを読む
タイヤがパンクしたときの対処法4選
走行中にタイヤがパンクした場合は、まずハザードランプを点灯させて安全な場所に停車し、任意保険会社やJAFのロードサービスに連絡するのが基本です。
主な対処方法は、以下の4つに分けられます。
また、タイヤの損傷がひどい場合は、無理にガソリンスタンドや修理工場まで移動しようとせず、ロードサービスを呼ぶか、その場で安全を確保しましょう。
ここでは、それぞれの対処方法を選んだ場合に、どのような流れで対応してもらえるのか、何をしてもらえるのかを解説します。
ロードサービスはタイヤ交換が無料(スペアタイヤがある場合)
ロードサービスでは、契約している会員に限り無料で20km以内の最寄りの修理工場までの搬送または、スペアタイヤへの履き替えを対応してくれます。
ロードサービスは、主にJAFや自動車保険会社が提供しています。
| 業者名 | 対象者 |
| JAF | 運転手や乗員がJAFの会員 |
|---|---|
| 自動車保険会社 | ロードサービスを契約している車両が対象 |
ロードサービスを利用する場合は、まず安全な場所に停車し、ハザードランプを点灯させます。
そのうえで、JAFまたは契約している自動車保険会社に連絡し、現在地・車の状態・スペアタイヤの有無を伝えましょう。
連絡後、30分〜1時間程度で現場までスタッフが駆けつけ、スペアタイヤへの交換やレッカー搬送に対応してくれます。
スペアタイヤを搭載していない場合JAFでは、タイヤの外側からゴム栓を詰めて一時的にふさぐパンク応急修理や、タイヤ貸し出しサービスも、一部地域を除く各都道府県で実施されています。
タイヤ貸し出しサービスとは、貸し出されたタイヤで最寄りの自動車販売店やタイヤショップまで自走し、交換後にJAFへ返却する仕組みです。
ロードサービスは、以下のような人に向いています。
- パンクした車を動かしたくない人
- 自分でタイヤ交換をするのが不安な人
- スペアタイヤを積んでいる人
- 近くにガソリンスタンドや修理工場がない人
なお、ロードサービスを利用してタイヤ交換やレッカー移動をしても、保険金を請求するわけではないため、基本的に自動車保険の等級には影響しません。
ただし、費用範囲や利用回数の制限は保険会社ごとに異なるため、契約先に確認しておくと安心です。
ガソリンスタンドはどこにでもあるので利用しやすい
ガソリンスタンドでは、タイヤの外側から補修できる軽度なパンクであれば、その場で修理を受け付けてくれる場合があります。
店舗数が多いため、パンクした場所の近くで見つけやすいのが利点です。
ただし、ガソリンスタンドはパンクした場所から店舗まで自力で車を運ぶ必要があります。
空気が大きく抜けた状態で走行すると、突然タイヤが破裂したり、制御が効かなくなり非常に危険です。
費用は1本あたり1,500〜2,000円程度、作業時間は20分程度が目安です。
ガソリンスタンドでは、タイヤの内側まで損傷している場合や、側面が破れている場合は対応を断られることがあるので、事前に電話で対応可能か確認しておくと安心です。
ガソリンスタンドは、以下のような人に向いています。
- 近くにガソリンスタンドがある人
- 空気が急激に抜けていない軽度なパンクの人
- できるだけ安く早く応急対応したい人
なお、少しでも走行に不安がある場合は、無理にガソリンスタンドへ向かわず、ロードサービスを利用しましょう。
修理工場は本格的な修理を依頼できる
修理工場では、タイヤをホイールから外し、内面の状態まで確認したうえで本格的な修理を依頼できます。
修理工場に依頼する流れは、まず電話でパンク修理に対応しているか確認し、車を持ち込む、またはレッカーで搬送してもらう形が一般的です。
業者によってはレッカー対応を行っている場合もあるため、自走できない場合は事前に相談しましょう。
修理工場での費用は、1本あたり3,000〜5,000円程度、作業時間は30分〜1時間程度が目安です。
タイヤのサイズや損傷の程度、店舗の混雑状況によって費用や時間は変わります。
修理工場では、タイヤの内側からしっかり補修できるため、外面修理よりも安心感があります。
釘やネジが刺さったパンク、空気漏れが続いているパンクなどは、修理工場で確認してもらうとよいでしょう。
修理工場は、以下のような人に向いています。
- パンクの状態を正確に見てもらいたい人
- ガソリンスタンドで修理できないと言われた人
- タイヤの内側まで点検してほしい人
- 修理後も安心して乗り続けたい人
なお、工場によって技術力や対応範囲に差があるため、可能であれば口コミや実績を確認してから依頼しましょう。
自走が難しい場合は、ロードサービスで修理工場までレッカー搬送してもらう方法があります。

リペアキットはその場で応急処置できる
リペアキットを車に積んでいれば、近くに店舗がない場合やロードサービスを待てない場合に、その場で応急処置ができます。
リペアキットとは、パンクしたタイヤを一時的に補修するための道具が入ったアイテムです。
リペアキットを使う場合は、安全な場所に停車し、説明書に従って補修剤や空気を注入します。
作業時間は30分程度が目安で、キットは1,500〜5,000円程度で購入できます。
ただし、リペアキットによる補修はあくまで一時的な応急処置です。
使用後はそのまま長距離を走らず、できるだけ早く修理工場やタイヤ専門店で点検を受けましょう。
また、以下のような状態の場合は、リペアキットでは対応できず、交換が必要になります。
- タイヤの側面が破れている
- 大きな穴が空いている
- タイヤが裂けている
- 空気が完全に抜けている
そのため、リペアキットは「修理工場まで安全に移動するための一時的な手段」と考えておきましょう。
なお、リペアキットの詳しい使い方や注意点について、より詳しく知りたい方は下記の解説記事もぜひご覧ください。
参考:【タイヤ応急修理】タイヤパンク修理キットの使い方や注意点を解説|ウエインズトヨタ神奈川
パンクしたタイヤで走行した場合の危険性
タイヤがパンクした状態での無理な走行はNGです。
「少しの距離なら大丈夫」と思っても、タイヤの損傷が進行し、重大な事故につながる可能性があります。
とくに注意したいのが、空気がゆっくりと抜けていく「スローパンクチャー」です。異常に気づきにくいまま走行を続けてしまいがちなため、日頃からの点検が重要になります。
またパンクした状態で車を動かすと、タイヤだけでなく、ホイールやサスペンションといった足回りの各部品を傷めるおそれがあります。
パンク以外の車の故障や、万が一の事故時の修理費用については、下記の記事を参考にしてください。


それでは、パンクしたまま走行を続けることで発生する「3つの具体的な危険」について解説します。
パンクに気づいたら無理に走らず、安全な場所に停車してロードサービスや修理業者に相談しましょう。
タイヤが裂ける
パンクしたまま走行すると、タイヤが地面と車体の重さに押しつぶされ、内部の骨組み(カーカス)が損傷することがあります。
その結果、タイヤは形状を保てず、裂けて走行不能になったり、事故につながったりする危険があります。
パンクに気づいたら、速やかに走行をやめ、ロードサービスや修理業者に相談しましょう。
また、夏場は高温によるタイヤの損傷リスクがより深刻化します。後述の「夏が一番危険?高温がもたらすタイヤのバースト(破裂)リスク」も合わせてご確認ください。
タイヤの修理ができなくなる
本来なら修理で済むパンクでも、走行を続けることでタイヤ内部が傷み、修理を断られる場合があります。
パンクしたタイヤで走り続けると、タイヤの側面が波打つように変形する「スタンディングウェーブ現象」が起こります。
しわができたタイヤは中にあるコードが切れて事故を引き起こす可能性があるため、修理を断られることがあります。
また、パンクしたまま走り続けたことでホイールがタイヤの中を削ってしまった場合も、安全上の理由から交換が必要になります。
タイヤが発火する
パンクしたタイヤで走行を続けると、タイヤが通常より大きく変形して路面との摩擦が強くなり、発火する危険があります。
タイヤそのものが燃えなかったとしても、ホイールと地面で摩擦が起きたり、ちぎれたタイヤ片がブレーキやマフラーにくっついたりすると、火花が散って引火する可能性も考えられます。
発火によって路面やほかの車にダメージを与えた場合、賠償金を払わねばならなくなるケースもあります。
加えて、運転手や同乗者が怪我を負うリスクもあります。
夏は要注意!高温がもたらすタイヤのバースト(破裂)リスク
夏場は、タイヤのパンクやバーストにとくに注意が必要な季節です。
夏の晴れた日中は、アスファルトの表面温度が60℃を超えることもあり、高温の路面や強い日差しの中での走行は、タイヤに大きな負荷をかけます。
さらに、走行中はタイヤがたわんだり、路面との摩擦が起きたりするため、タイヤ内部にも熱がこもりやすくなります。
タイヤはゴム製品のため、紫外線や高温に温められ続けると徐々に硬化し、ひび割れが生じやすくなります。
そこに空気圧不足や高速走行、長時間走行などの負荷が加わると、劣化している部分にさらにダメージが集中し、パンクやバーストにつながる可能性があります。
なお、タイヤが溶けると表現されることがありますが、実際に液体のように溶けるわけではありません。
高温や摩擦の影響でゴムが傷みやすくなり、劣化した部分が変形・摩耗しやすくなる状態を指すと考えるとよいでしょう。
以上のことから、夏場はタイヤへの負荷が一気に高まり、小傷がパンクやバーストにつながる可能性があります。
少しでも異常がある場合は、無理に走行せず、ガソリンスタンドや整備工場などで点検してもらうことが大切です。
タイヤのトラブルを未然に防ぐ!3大安全点検
パンクやバーストを未然に防ぐには、日頃のセルフチェックが欠かせません。
とくに夏場は、高温の日差しや路面・ゲリラ豪雨など、タイヤに負担がかかる条件が重なります。
出発前にタイヤの状態を確認するようにしましょう。
| 点検項目 | 確認するポイント | 放置した場合のリスク |
|---|---|---|
| 空気圧 | 指定空気圧に合っているか | 発熱、スタンディングウェーブ現象、バースト |
| 外観の状態 | ひび割れ、キズ、膨らみがないか | パンク、バースト |
| 溝の深さ | スリップサインが出ていないか | スリップ、ハイドロプレーニング現象 |
1. 空気圧の適正チェック
まず確認したいのが、タイヤの空気圧です。
逆に高すぎる場合も、接地面が偏って乗り心地の悪化や偏摩耗を招くため注意が必要です。
空気圧は、ガソリンスタンドやカー用品店などで確認できます。
運転席ドアの内側や車の取扱説明書に記載されている「指定空気圧」に合わせて調整しましょう。

なお、空気圧はタイヤが温まっていると高めに表示されることがあります。
できれば、走行前や走行距離が短いタイミングなど、タイヤが冷えている状態で測るのが理想です。
2. ひび割れ・キズの目視確認
次に、タイヤのひび割れやキズを確認しましょう。
タイヤの接地面だけでなく、側面(サイドウォール)も忘れず確認してください。
もし、タイヤ側面に細かいひび割れが入っている場合、ゴムの劣化が進んでいる可能性があります。
そこに真夏の高温や高速走行の負荷が加わると、ひび割れが広がり、パンクやバーストにつながるおそれがあります。
また、縁石にこすった跡や、タイヤの一部が膨らんでいるように見える場合も危険です。
外側のゴムだけでなく、タイヤ内部の構造が傷んでいる可能性があります。
このような異常がある場合は、「少しのキズだから大丈夫」と自己判断せず、整備工場やタイヤ販売店で点検を受けましょう。
縁石でタイヤを損傷した場合の対処法については、下記の記事をご確認ください。

3. 残溝のチェック
最後に確認したいのが、タイヤの残溝です。
タイヤの溝が減っていると、雨の日に路面の水をうまく排出できず、スリップしやすくなります。
とくに夏場は、ゲリラ豪雨や台風によって急に路面が濡れることがあります。
溝が少ないタイヤで水たまりの上を走ると、タイヤが水の上に浮いたような状態になり、ハンドルやブレーキが効きにくくなる「ハイドロプレーニング現象」が起こる可能性があります。
道路運送車両の保安基準(第9条、および同基準の細目を定める告示第89条)では、乗用車のタイヤの残り溝は1.6mm以上と定められており、これを下回った状態で公道を走行すると道路交通法上の整備不良となります。
残り溝が1.6mmに達すると、タイヤ側面の三角マークの延長線上にあるスリップサインが露出し、交換のタイミングを知らせてくれます。

スリップサインが出ているタイヤは使用限界に達しているため、早めに交換を検討しましょう。
また、溝がまだ残っているように見えても、片側だけ極端に減っている「偏摩耗」がある場合は注意が必要です。
空気圧の不足や過多、足回りのズレなどが原因になっている可能性があります。
タイヤ交換だけでなく、必要に応じて足回りの点検もあわせて行うと安心です。
とくに猛暑日や長距離運転の前は、出発前にセルフチェックを行い、少しでも不安がある場合は無理に走行せず、専門業者に相談しましょう。
タイヤがパンクしたときは迷わずロードサービスを利用しよう
タイヤがパンクしたときは、安全性と費用面を考えて、まずロードサービスの利用を検討しましょう。
スペアタイヤがあれば無料で交換してもらえるほか、指定の場所まで運搬してくれる可能性があります。
ロードサービスを利用しても、保険の等級には影響がないため、安心して使用できます。
なお、JAFや保険会社の会員ではない場合は、ロードサービスの利用が制限されるため、以下の方法をとるのも一つの手です。
ただし、近くにガソリンスタンドや修理工場がないからといって、パンクした車で走行し続けるのは危険です。
停止距離が延びたり車体の挙動が乱れたりして事故のリスクが高まるため、無理に移動せず専門のスタッフに対応してもらうのが安心です。
またタイヤのバーストは、スローパンク(徐々に空気が抜ける現象)とは異なり、一瞬で車のコントロールを失うおそれがあります。
車線をはみ出したり、急減速・急停止したりする可能性があるため、運転者本人だけでなく、周囲を走る車や歩行者にとっても非常に危険です。
さらに、車の制御を失ってガードレールなどの障害物や他の車と衝突してしまうと、車両の損傷が大きくなり、修理費用が100万円を超えるケースもあります。
もし「修理費用が高すぎる」「廃車にするしかない」とお悩みの場合は、処分を諦める前に、事故車買取のタウへお気軽にご相談ください。
タウでは、「修復後に中古車として販売」「解体後に部品を再利用」「鉄やプラスチックとして再資源化」という3つの視点で最適な価値を判断しており、大破したお車でも買取が可能です。
岩淵 俊
中古車仕入業に20年以上携わり。これまでに10,000台を超える事故車・故障車の査定を担当。 趣味で古い車を所有し、整備や修理を行うなど、車に対する深い理解と実践的な経験も豊富。 長年の現場経験で培った確かな査定力と幅広い車両知識を活かし、愛車を納得して手放せるよう車に関する正しい情報と実践的なアドバイスをわかりやすく発信。
