交通事故で車が損傷し、修理後に事故車扱いとなると、修理費だけでなく評価損や代車費用など、見落としがちな損害も発生します。
実際には、保険会社から「評価損は支払えない」「代車費用は対象外」と言われ、泣き寝入りしてしまうケースも少なくありません。
しかし、民法第709条(不法行為による損害賠償)では、加害者に「修理費以外の経済的損失」についても賠償義務があると定められています。
つまり、一定の条件を満たせば、修理費用以外の経済的損失も請求できる可能性があります。
本記事では、事故車扱いになったときに請求できる損害賠償の種類や条件、保険会社との交渉で注意すべきポイントなどをわかりやすく解説します。
事故後のトラブルを防ぐための実践的な知識として、ぜひ最後までご覧ください。
小池 一敏
事故車買取に携わって20年以上の経験を持ち、損害車や故障車に関する知識が豊富。 幼少期からの車好きが高じて、中古車販売店や大手カー用品店、ガソリンスタンドなどに従事し、 車の知見も深い。その経験を活かし、お得な売却術や修理・乗り換え方法など車に関する幅広いコラムの監修をしている。 ...続きを読む
事故車扱いされた場合に請求できる損害賠償
交通事故で車が事故車扱いになった場合、被害者は加害者側の保険会社に対して、民法709条(不法行為による損害賠償)に基づいて損害賠償請求を行うことができます。
請求できる主な損害とその条件・必要書類は以下のとおりです。
| 損害項目 | 請求条件 | 必要書類 | 備考 |
| 修理費用 | 修理が可能で修理費用が時価額を超えない場合 | 修理見積書・損傷写真・修理明細書 | 支払い上限は時価額と買い替え諸費用の合計 |
|---|---|---|---|
| 時価額 | 修理不能または修理費用が車の時価を上回る場合 | 査定協会の時価証明・中古車相場資料 | 修理費用と併用不可(いずれか高い方を補償) |
| 評価損 | 修理後の市場価値が事故前よりも下がった場合 | 事故減価額証明書・査定書・修理見積書 | 新車や低走行車、高級車は請求が認められやすい |
| 代車費用 | 修理中にやむを得ず代車を借りた場合 | 代車契約書・領収書・修理期間証明 | 支払い上限は修理期間相当 |
| レッカー移動費用 | 自走不可でレッカー移動が必要な場合 | レッカー請求書・車の写真 | 事故直後保険会社に依頼すると費用精算スムーズ |
| 保管費用 | 修理か売却までに保管費用がかかる場合 | 保管明細書・入庫証明 | 被害者側の手続き遅延による長期化は減額の可能性あり |
| 損害調査費用(鑑定費) | 事故車の鑑定を依頼する場合 | 鑑定依頼書・報告書・見積書 | 評価損の立証による費用も含まれる場合あり |
| 廃車手続き費用 | 廃車手続きで法定手数料がかかった場合 | 登録証明書・請求明細 | 乗り換えの場合は登録費用が含まれる場合あり |
上記のように交通事故の被害により発生した費用の多くは、加害者が加入する保険会社に請求できる可能性があります。
修理の見積書や車の損傷箇所の写真、各種領収書などは必要な時に提出できるよう、しっかり保管しておきましょう。
なお、保険会社との交渉時に以下の問題が発生した場合は、賠償額の減額や支払いを拒否される可能性があり、注意が必要です。
- 請求期間に被害者の手続きや行動不備による遅延分が含まれている場合
- 高級車のレンタル費用など損害に対して過剰な費用を請求している場合
この章では、交通事故によって発生する損害のうち、被害者が加害者側の保険会社に対して請求できる主な項目を解説しました。
特に車が事故車扱いとなった場合、市場での評価が大きく下がるため、修理費などの補償だけでは損害をカバーしきれないことがあります。
そうしたケースでは、見落とされがちな「評価損(格落ち損)」の請求ができるかを確認することが重要です。
次の章では、評価損の意味や請求条件、具体的な交渉のポイントについて詳しくご紹介します。
なお、上記以外の損害賠償に関しては、下記の記事で解説しておりますので合わせてご確認ください。

自動車の評価損(格落ち損)とは
評価損とは、事故による損傷を元通りに修理しても事故歴がつき、事故前に比べて中古車市場での価値が下がることをいいます。
民法第709条では、「故意または過失によって他人の権利や法律上保護される利益を侵害した者は、生じた損害を賠償する責任を負う」と定められています。
そのため、交通事故による車両の価値下落分を加害者側の保険会社に損害賠償として請求できる可能性があります。
では、具体的にどのような場合に評価損として扱われるのかを見てみましょう。
評価損には、大きく分けて以下の2つのタイプがあります。
| 技術上の評価損 | 取引上の評価損 |
| 修理をしても外観や機能に欠陥が残ってしまう場合 | 修理で外観は直っても、「修復歴」がつくことにより市場価値が下がる場合 |
中古車市場では「修復歴あり」と判断された場合、走行性能に問題がなくとも、同じ車種・年式の無事故の車に比べておよそ20%前後下落します。
こうした背景から、実際の損害賠償請求では取引上の評価損が焦点になります。
では、実際に評価損がどのような条件で認められるのか、そしてどのように金額を算定するのかを、具体例を交えてこれから解説します。
なお、修復歴に関しては下記の記事をご確認ください。

評価損が認められる条件と判断基準
評価損はすべての車に認められるわけではありません。
修理内容や損傷箇所だけでなく、年式、走行距離、その車の市場価値・修理後の状態などを総合的に見て判断されます。
評価損が認められやすい条件は以下のとおりです。
| 条件 | 認められやすい理由 |
| フレーム・ピラーなどの骨格部分を損傷 | 車体の安全性や剛性に関わるため、修復しても不安が残るため |
| 登録3年以内・走行距離5万km未満 | 元の状態がよく、事故によって価値が下落したと判断されやすいため |
| 事故車認定の高級車や人気車種 | ブランド価値や希少性から、事故による価値下落が大きいため |
| 修理後も不具合発生 | 完全な原状回復が達成されていないため |
事故による故障で修理後に安全性や市場価値に明確な影響が出る場合は、評価損が認められる可能性が高くなります。
たとえば購入から2年目の車で骨格を損傷して修理したとします。
骨格を損傷または修正した車は、中古車市場では事故車として扱われるので、事故していない車に比べて10〜30%程度価値が下落するといわれています。
そのため、価格が下がった10〜30%分の範囲で評価損が認められる可能性が高いです。
一方、古い車や走行距離が5万km以上の車の場合、中古車市場における需要が低く、事故後と事故前の車両価値の差が生まれにくいため、評価損が認められない可能性があります。
つまり、評価損の成立には感覚的な損失ではなく、事故によってどの程度車両価値が下がったかを客観的に示すことが重要です。
なお、市場価値下落を客観的に証明するには、日本自動車査定協会(JAAI)など第三者機関に査定を依頼して、事故減価額証明書を発行してもらう必要があります。
ここまでで評価損が認められる条件と判断基準について解説しました。
しかし、なかには実際に評価損はどのように算出されているのか気になっている方もいると思います。
そこで続いては、評価損の算定方法について具体的に解説します。
評価損の算定方法
評価損の金額は、修理費用に一定の割合を掛けて計算するのが一般的です。
裁判例では修理費用の10〜30%を評価損として認めた事例が多く、損傷の程度や車の価値によって割合が変わります。
以下は評価損算定の一般的な目安です。
| 修理費用に対する割合 | 主なケース |
| 10〜15% | 骨格の損傷が比較的軽い場合 |
| 20〜30% | 高級車や新車など市場価値の下落が大きい場合 |
評価損の金額はあくまで「目安」であり、同じ修理費用でも車種や中古車市場人気によっては下落率が異なります。
たとえば、購入から3年以内で修理費用が60万円の場合、評価損は約6〜18万円ほどになります。
この価格幅で妥当と考えられる金額を証拠資料とともに提示することで、加害者側の保険会社に評価損の金額を請求できます。
なお、保険会社は評価損請求に慎重な傾向があり、「修理で元に戻る」として支払いを拒否することもあります。
このような場合は、加入している任意保険に弁護士費用特約が付帯していないか確認しましょう。
弁護士費用特約を活用することで、自己負担なく専門家に依頼でき、法的根拠に基づく交渉を進めることが可能です。
実際、弁護士が介入することで評価損が適正に認められる場合があります。
では、具体的に弁護士費用を使用することで評価損を請求するメリットについて、次の章で紹介します。
弁護士費用特約の利用で格落ち請求を交渉
保険会社に損害賠償請求を行う場合、弁護士など専門家の力を借りるのが最も有効です。
実際、公益財団法人日弁連交通事故相談センターが令和6年度に行った示談あっせんでは、成立率86.9%という高水準を記録しています。(示談あっせん・審査|公益財団法人日弁連交通事故相談センター)
この数字から保険会社との交渉は、弁護士などの専門家が関与したほうが解決しやすいということがわかります。
保険会社は軽い損傷や外観修理に対して「価値は下がっていない」と主張するケースがあり、評価損を個人で交渉するのは難易度が高いです。
弁護士費用特約では一般的に、1度の事故あたり300万円を上限とする補償が付くので、請求の根拠を明確に示すという意味でも特約を利用できる方は有効活用すると良いでしょう。
以下は弁護士費用特約を利用した場合に得られるサポート内容です。
- 修理見積書や査定証明をもとにした合理的な立証
- 過去の裁判例に基づいた交渉戦略
- 保険会社との交渉代理
弁護士は客観的資料とこれまでの裁判例をもとに、保険会社と損害賠償額の妥当性を交渉します。
同様の損害が認められた判決を引用しながら合理的な主張ができるので、保険会社も一方的な減額や支払い拒否をしにくく、評価損が認められる可能性が高まります。
保険会社に損害賠償を請求する方法と注意点
交通事故で車が事故車扱いになった場合、修理費用や評価損などの損害を補償してもらうには、加害者側の保険会社へ損害賠償請求を行う必要があると説明しました。
しかし、初めての事故で何から手を付けるべきか分からず、不安に感じる方も多いでしょう。
ここでは、請求手続きの基本的な流れと、保険会社との交渉でトラブルを避けるための注意点を解説します。
手続きを正しく理解し、証拠や書類を適切にそろえることで、損害賠償請求をスムーズに進めることができます。
まずは、損害賠償請求手続きに必要な一連の流れを確認しましょう。
事故車扱いを受けた場合の損害賠償請求手続きの流れ
損害賠償請求を正しく進めるには、事故発生から示談成立までの一連の流れを理解しておくことが重要です。
手続きの誤りや、必要書類の不足があった場合は、正当な請求が通らない可能性があるので、注意しましょう。
以下は損害賠償請求の一般的な手続きの流れです。
- 事故の発生を警察に届け出て交通事故証明書を取得
- 自身が加入している保険会社への連絡
- 修理工場で見積もりを取り、損害額を確認
- 保険会社同士が事故状況をもとに協議し、過失割合を決定
- 算定した損害額を基に示談交渉
事故処理後に警察が発行する交通事故証明書は、事故の日時や当事者の情報、過失状況などを客観的に示す資料です。
また、損害賠償請求の過程で発生する修理見積書や写真、領収書など証拠になる書類は全て保管しておきましょう。
保険会社に損害賠償請求する場合の注意点
専門知識を持つ保険担当者に対し、適切な資料や根拠を持たないまま交渉に臨むと、本来請求できる損害が認められない可能性があります。
こうした不利益を防ぐために、交渉時は以下の3つのポイントを押さえておきましょう。
| 注意点 | 解説 |
| 客観的な証拠を揃える | 損傷写真や見積書、事故減価額証明書などの提出で「実害」を証明する |
| 示談書の内容を確認する | 請求した損害(評価損・代車費用等)がすべて反映されているか確認する |
| 即断せず専門家に相談する | 不明点があれば、弁護士や交通事故相談センターに相談してから合意する |
保険会社との交渉では、客観的な資料が揃っていなければ、どれほど正当な請求であっても保険会社に否認される可能性があります。
とくに評価損や代車費用のような間接的に発生する損害は、資料がなければ認められにくいため注意が必要です。
よくある却下理由は以下のとおりです。
- 評価損:「損傷が軽微で修理で元通りになる」「市場価値の下落が経年劣化か事故によるものか判断できない」
- 代車費用:「修理していないなら代車は不要である」「代車を借りなくても日常生活に大きな支障はない」
また、示談書は交渉の最終的な証拠となるため、金額や項目の記載漏れがないか細かく確認することが大切です。
内容に不安がある場合は、交渉前に弁護士や日弁連交通事故相談センターなどの専門機関を活用しましょう。
電話などの口頭連絡は後に「言った・言わない」のトラブルにつながりがちです。
交渉の内容はメールや書面など記録が残る媒体で行い、やり取りした日付や担当者名を明記して保管しましょう。
代車費用の請求条件と補償目安
交通事故で損傷した車を修理に出している期間に代車を借りた場合、代車(レンタカー)費用を加害者側の保険会社に請求できます。
ただし、どんな場合でも全額請求できるわけではなく、請求の正当性を伝える必要があります。
たとえば、交通の便が悪く日常生活するうえで車が欠かせない人の場合は、認められる可能性があります。
この章では、代車費用が認められる基本条件と、補償期間・費用の目安について詳しく解説します。
代車費用は原則修理期間中の損失補填
代車費用は、生活や仕事において車を必要とする人が、修理のため一時的に車を使えなくなったときに、やむを得ず代車を借りたことで生じた損失を補うための費用です。
誰でも自動的に補償されるという訳ではなく、下記の表に記載した内容を保険会社が総合的に判断し、合理的な損害と認められれば賠償額を受け取れます。
| 判断基準 | 内容 |
| 代車の必要性 | 生活や仕事に車が不可欠で、公共交通機関での代替が困難であること |
| 修理期間の妥当性 | 損傷具合に対する修理作業日数が適当であること |
| 車種の相当性 | 元の車と同等クラスであること |
これらの条件を満たさない場合、保険会社は代車費用の一部または全額を認めない可能性があります。
特に、普段ほとんど車を使っていない人や家族の車で代用できる場合などは、必要性が否定されることがあります。
なお、営業車など事業用車両の場合は「代車費用」ではなく休車損害として別枠で請求できます。
休車損害について詳しくは下記の記事をご確認ください。

また、修理を行わずに車を売却または廃車にした場合は、代車を借りる必要がなくなるため、代車費用の請求は原則認められません。
ただし、見積もりの取得や保険会社とのやり取りなど、修理するかどうかを検討している期間の代車費用は、1週間程度を目安に一部認められる可能性があります。
さらに、乗り換えの場合は買取業者や販売店が納車までの期間、無料で代車を貸出してくれるケースもあります。
無料代車サービスを活用すれば、代車費用の自己負担を抑えながら車の売却を進めることができます。
事故後の移動手段の確保は、精神的にも経済的にも大きな安心につながります。
判断の参考として、下記の記事をご活用ください。

代車(レンタカー)費用と補償期間の目安
代車費用を請求できる範囲は、修理に必要な日数と相場に基づいて補償額が算定されるのが一般的です。
借りた期間分すべての費用が補償されるわけではない点に注意しましょう。
代車費用として請求できる上限金額と補償期間の目安は以下のとおりです。
| 項目 | 目安 |
| 1日当たりの代車費用 | 約5,000〜10,000円程度 |
| 補償期間 | 修理にかかった日数分(おおむね1〜2週間前後) |
代車費用はあくまで車が使えなかったことによる損害を補うためのものであり、被害者の都合で修理期間が長引いた場合には補償の対象外になる可能性があります。
たとえば、部品調達の遅れや工場側の事情による遅延は認められることがありますが、被害者側が修理依頼を遅らせた場合などは、被害者の過失と判断されます。
また、事故して修理に出している車より上位クラスの代車を選んだ場合、補償金額との差額分を代車利用者は負担する必要があるので注意しましょう。
保険会社に請求するときには以下の書類を用意して、必要かつ相当な範囲での利用であることを明示することが大切です。
- 修理見積書
- 修理工場の作業記録
- レンタカー会社の領収書
- 代車契約書
これらの資料は、保険会社の審査で請求の正当性を判断する根拠となります。
特に、修理日数を示す整備記録や請求金額の内訳が明確であると、支払いがスムーズに進む傾向があります。
よくある損害賠償トラブル
交通事故の損害賠償では、修理費用・評価損・代車費用などの請求をめぐり、被害者と保険会社の間でトラブルが発生するケースが少なくありません。
被害者側に十分な知識や証拠がないまま交渉を進めると、本来受け取れるはずの金額よりも低い示談金で合意してしまうこともあります。
こうしたトラブルを防ぐには、保険会社が主張する根拠を理解し、法的・客観的な資料を提示して反論できる準備を整えることが大切です。
ここでは、実際によく寄せられる損害賠償トラブルをQ&A形式でわかりやすく解説します。
Q1. 保険会社に「評価損は支払い対象外」と言われました。請求できないのでしょうか?
条件を満たせば請求可能です。
特に、フレームやピラーなど車体の骨格部分に損傷がある場合や、新車・高級車・低走行車など市場価値の下落が大きい車は、評価損が認められる可能性が高いです。
裁判例でも、車両価値の低下が明確な場合は支払いが命じられています。
Q2.保険会社から代車費用が高すぎると言われました。全額請求できますか?
代車費用は代車の必要性と利用期間の相当性を示せれば全額認められる可能性があります。
次の3点を説明できるようにしましょう。
- 生活や仕事に車が必要で、公共交通機関での代替が困難である
- 修理期間が見積書に基づき妥当である
- 借りた車が元の車と同等クラスである
Q3.示談書にサインしたあとに、損害が見つかりました。追加で請求できますか?
示談書にすべての損害を解決済みと記載されている場合、原則として追加請求はできません。
ただし、事故後に発覚した骨格損傷など、当初は予見できなかった損害が確認された場合には再交渉の余地があります。
修理工場で再査定を行い、専門家の意見書を添えて保険会社に再度相談してみましょう。
トラブルを未然に防ぐには、主張の裏付けとなる証拠を確実に保管することが何より重要です。
以下は、損害賠償請求時に役立つ主な証拠書類とその目的をまとめた一覧です。
| 必要な証拠書類 | 内容・目的 |
| 修理見積書・損害写真 | 損傷の程度・修理費用の妥当性を証明する |
| 事故減価額証明書 | 評価損を客観的に立証する |
| 代車契約書・領収書 | 代車費用の必要性と相当性を示す |
| 示談書・保険会社とのやり取り記録 | 交渉経過を明確にし、後日の証拠とする |
これらの書類を保管しておけば、示談交渉で不当な減額を受けた際の再交渉や裁判対応において有力な根拠になります。
一方で、保険会社との交渉が長引く、あるいは提示金額に納得できない場合は、中立的な第三者機関の利用も検討しましょう。
たとえば、各地の交通事故相談センターやADR(裁判外紛争解決手続き)では、無料で法的助言を受けられる場合があります。
まとめ
交通事故で車が事故車扱いとなった場合の損害賠償について解説しました。
修理費用や評価損、代車費用など事故によって発生する損害は複数ありますが、正しい知識と証拠をもとに手続きを進めることで、本来受け取るべき補償をしっかり請求できます。
ここで、この記事のポイントを整理しておきましょう。
- 事故車扱いの場合修理費用・評価損・代車費用など複数の損害項目を請求可能
- 評価損は車の状態、損傷箇所、市場価値などを総合的に判断して算出
- 保険会社との交渉では証拠資料(見積書・証明書・領収書など)の準備が必須
損害賠償請求では、請求に対する支払いが本当に必要かと損失に対する請求内容が妥当かの2つの軸で常に判断されます。
特に評価損は、車の年式や損傷部位などによっては認められない場合があるため、事故減価額証明書など専門的な裏付け資料の提出が有効です。
また、保険会社との交渉は感情的なやり取りではなく、証拠・法的根拠・交渉力が結果を左右します。
一つずつ手続きを行い、必要に応じて専門家の力を借りることで、事故による不利益を最小限に抑えられます。
なお、事故車の処分方法でお困りの方は、事故車買取のタウにご相談ください。
タウは世界120ヶ国以上に販売経路を持ち、他の販売店では減額対象となる事故車でも高価買取の可能性があります。
お気軽にお問い合わせください。
小池 一敏
事故車買取に携わって20年以上の経験を持ち、損害車や故障車に関する知識が豊富。 幼少期からの車好きが高じて、中古車販売店や大手カー用品店、ガソリンスタンドなどに従事し、 車の知見も深い。その経験を活かし、お得な売却術や修理・乗り換え方法など車に関する幅広いコラムの監修をしている。
