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交通事故の被害者が請求できる損害賠償|対人・対物・休車損害などを解説

交通事故を起こしたときに請求できる損害賠償の範囲や注意点を網羅的に解説

交通事故に遭うと、治療費や車の修理費だけでなく、仕事を休んだことによる収入の減少や、精神的苦痛に対する慰謝料など、さまざまな損害が発生します。

しかし、損害賠償として何を請求できるのか、保険会社から提示された金額が妥当なのか、示談前に何を確認すべきなのかまで正しく理解できている人は多くありません。

交通事故の損害賠償で損をしないためには、保険会社から示談案が届いても、すぐに署名・押印しないことが大切です。

特に、示談前には以下の点を確認しておきましょう。

特に、示談書に署名したあとでは、原則として追加請求が難しくなります。

そのため、保険会社から提示された金額をそのまま受け入れる前に、「どの損害が含まれているのか」「請求漏れはないか」を確認することが大切です。

岩淵 俊

中古車仕入業に20年以上携わり。これまでに10,000台を超える事故車・故障車の査定を担当。 趣味で古い車を所有し、整備や修理を行うなど、車に対する深い理解と実践的な経験も豊富。 長年の現場経験で培った確かな査定力と幅広い車両知識を活かし、愛車を納得して手放せるよう車に関する正しい情報と実践的なアドバイスをわかりやすく発信。 ...続きを読む

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目次

交通事故の損害賠償とは

交通事故の損害賠償とは、事故によって被害者が受けた損害を、加害者側に金銭で補償してもらうことです。

ここでいう損害には、けがによる治療費だけでなく、精神的苦痛や収入の減少、車の破損なども含まれます。

民法709条では、故意または過失によって他人に損害を与えた場合、その損害を賠償する責任があるとされています。

つまり、交通事故の損害賠償は、事故によって被害者だけが治療費や収入減少などの負担を背負わないようにするための制度です。

たとえば、治療費や通院交通費、仕事を休んだことによる休業損害、精神的苦痛に対する慰謝料などが請求対象になります。

実際にどのような損害を請求できるかは、次の章で詳しく解説します。

交通事故の被害者が請求できる損害賠償の範囲

交通事故の被害者が請求できる損害賠償は、治療費だけではありません。

事故によって実際に支払った費用、仕事や家事ができなくなったことによる収入の減少、精神的苦痛、車の修理費なども請求対象になる可能性があります。

この記事では、交通事故の損害賠償を以下の4つに分けて整理します。

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損害の種類内容主な例
積極損害事故によって実際に支出した費用治療費、通院交通費、入院雑費、付添費など
消極損害事故がなければ得られたはずの収入や利益休業損害、逸失利益、休車損害など
慰謝料事故による精神的苦痛への補償入通院慰謝料、後遺障害慰謝料、死亡慰謝料など
物的損害車や持ち物が壊れたことによる損害車両修理費、代車費用、評価損・レッカー費用など

ただし、ここに当てはまる費用であっても、すべてが無条件で認められるわけではありません

事故との関係性や、支出の必要性、金額の妥当性を示す必要があります。

示談前にどの損害項目が自分に関係するかを整理しておくと、請求漏れを防ぎやすくなります。

治療費や入院・通院費に関する賠償(積極損害)

積極損害とは、交通事故によって実際に支出した費用のことです。

交通事故の積極損害では、主に以下の費用を事故との関係性や必要性が認められる範囲で、請求できます。

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費用の種類内容
治療費診察費、入院費、手術費、投薬費、リハビリ費用
通院交通費電車・バスの運賃、自家用車の燃料費、必要性が認められるタクシー代
付添費・介護費医師の指示による入院・通院時の付き添いや、自宅介護にかかる費用
装具・器具購入費車椅子、コルセット、義足、眼鏡などの購入費・修理費用
入院雑費入院中に必要な日用品などの費用

これらの費用は、支出した事実を証明できることが重要です。

領収書、診断書、通院記録、交通費のメモなどは、後の示談交渉で損害額を証明する資料になるため、できるだけ保管しておきましょう。

特にタクシー代や付添費などは、必要性が争点になりやすいため、医師の指示や利用理由を説明できるようにしておきましょう。

収入の減少に関する賠償(消極損害)

消極損害とは、交通事故がなければ得られたはずの収入や利益が失われた場合の損害です。代表的なものが休業損害です。

事故によるけがで仕事を休んだり、後遺障害によって働き方が制限されたりすると、現在または将来の収入に影響が出ることがあります。

また、営業用車両が使えなくなった場合は、車両を使えない期間の事業収益が問題になることもあります。

交通事故の消極損害では、主に以下の損害を請求できます。

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損害の種類内容
休業損害治療や通院のために仕事を休んだことで減った収入
逸失利益後遺障害や死亡によって、将来得られたはずの収入が失われた分
休車損害営業用車両が修理・買い替え期間中に使えず、本来得られたはずの収益が失われた分

休業損害は、会社員、パート、アルバイト、自営業者だけでなく、家事を担う主婦(主夫)でも認められる可能性があります。

一方、逸失利益は、後遺障害等級や年収、労働能力への影響などによって金額が変わります。

また、タクシーやトラックなどの営業用車両が事故で使えなくなった場合は、休車損害を請求できることがあります。

ただし、予備車両で通常どおり営業できた場合など、実際の減収がないと判断されるケースでは認められない可能性があります。

精神的苦痛に関する賠償(慰謝料)

慰謝料とは、交通事故によって受けた精神的苦痛に対する損害賠償です。

けがによる痛み、入院・通院の負担、後遺障害が残ったことによる苦痛などが対象になります。

交通事故において、主に以下の慰謝料を請求できます。

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慰謝料の種類内容
入通院慰謝料けがの治療のために入院・通院した精神的苦痛への補償
後遺障害慰謝料病状固定後も痛みや機能障害が残り、後遺障害等級が認定された場合の精神的苦痛への補償
死亡慰謝料被害者本人および遺族の精神的苦痛への補償

慰謝料の金額は、通院期間や実通院日数、けがの程度、後遺障害の有無、計算に使われる算定基準によって変わります。

保険会社から提示された慰謝料額が妥当かどうかは、金額だけでなく、どの基準で計算されているかまで確認する必要があります。

示談前に内訳を確認することで、見落としや低額提示に気づきやすくなります。

車の修理費に関する賠償(物的損害)

物的損害とは、交通事故によって車や積載物などが壊れた場合の損害賠償です。

事故で車が破損すると、修理費だけでなく、修理期間中の代車費用や、事故歴によって車の市場価値が下がる評価損が問題になることがあります。

通勤や仕事、通院などで車が必要な場合は、車が使えないこと自体が生活に影響するため、どの費用を請求できるか確認しておくことが大切です。

交通事故の物的損害では、主に以下の費用を請求できます。

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費用の種類内容
車両修理費事故で破損した車を修理するための費用
代車費用修理期間中に代車を利用するための費用
評価損(格落ち損害)修復歴がついたことで車の市場価値が下がった分の損害
積載物の損害事故により車内の荷物や積載物が壊れた場合の損害
レッカー費用事故車を移動させるために必要になった費用

ただし、車の損害賠償では、修理費が常に全額支払われるとは限りません。

修理費が事故当時の車の時価額を上回る場合、保険会社は時価額を上限として賠償額を提示することがあります。

時価額の算定方法については、下記の記事をご確認ください。

また、自賠責保険は対人賠償を対象とする制度であり、物損は対象外です。

車の損害賠償が足りない場合の対処法については、後半で事故車売却の選択肢も含めて解説します。

交通事故発生から損害賠償を受け取るまでの流れ

交通事故の損害賠償は、事故直後にすぐ金額が決まるものではありません。

事故発生後の初期対応、けがの治療、症状固定、後遺障害等級申請、示談交渉を経て、最終的な損害賠償金が決まります。

まずは、全体の流れを確認しましょう。 

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手順内容主なポイント
step1事故直後の初期対応警察への連絡、相手情報の確認、証拠確保、病院受診
step2けがの治療と症状固定通院継続、症状記録、主治医との相談
step3後遺障害等級申請後遺症が残った場合に申請を検討
step4示談交渉・損害賠償金の受け取り損害額の確認、示談書への署名、賠償金の受け取り

各段階で必要な対応を誤ると、事故とけがの関係を証明しにくくなったり、請求できる損害が減ったりするおそれがあります。

特に重要なのは、事故直後の証拠確保と、治療中の通院記録です。

交通事故では、後から「本当に事故によるけがなのか」「治療の必要性があったのか」が争点になることがあります。

焦って示談を進めるのではなく、どのタイミングで何を確認すべきかを理解しておくことで、損害賠償請求をスムーズに進めやすくなります。

step1.事故直後の初期対応

事故直後は、まずけが人の救護と安全確保をおこない、必ず警察へ連絡します。

軽い接触事故だと思っても、警察への届け出をしないと、後から交通事故証明書を取得できず、保険会社への請求や示談交渉で不利になる可能性があります。

事故直後に確認・対応すべきことは、主に以下のとおりです。

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対応すること内容
警察へ連絡する事故の発生を届け出て、記録を残す
相手情報を確認する氏名、住所、連絡先、車両ナンバー、保険会社を確認する
証拠を残す現場写真、車両の損傷箇所、道路状況、ドライブレコーダー映像を保存する
目撃情報を確認する目撃者がいる場合は連絡先を聞いておく
病院を受診する痛みが軽くても医師の診断を受ける

けががある場合は、医師の診断書を取得し、人身事故として扱ってもらう手続きを確認しましょう。

その場では痛みが少なくても、できるだけ早く病院を受診してください。

むちうちや打撲、しびれなどは、事故直後ではなく数日後に症状が出ることもあります。

受診が遅れると、けがと事故との因果関係を疑われ、治療費や慰謝料の請求が難しくなる場合があります。初期対応は、損害賠償請求の土台になる重要な段階です。

step2.けがの治療と症状固定

事故後にけがをした場合は、医師の指示に従って治療を続けます。

治療期間中は、通院日、治療内容、症状の変化を記録しておくと、入通院慰謝料や治療の必要性を説明しやすくなります。

治療中に意識したいポイントは、以下のとおりです。

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ポイント内容
医師の指示に従って通院する自己判断で通院をやめない
症状を具体的に伝える痛み、しびれ、可動域制限などを診察時に伝える
通院記録を残す通院日、治療内容、症状の変化を記録する
保険会社の打ち切り打診を慎重に判断する主治医と相談して治療継続の必要性を確認する

治療を続けても症状の大きな改善が見込めなくなった状態を、症状固定といいます。

症状固定は、損害賠償において大きな分岐点です。

原則として、治療費や入通院慰謝料は症状固定までの期間をもとに計算されます。

症状固定後に痛みやしびれなどが残った場合は、後遺障害の補償へと検討が移ります。

治療が数ヶ月続くと、保険会社から「そろそろ治療を終了しませんか」と打診されることがあります。

しかし、症状固定の判断は保険会社が決めるものではなく、主治医と相談して判断するものです。

まだ痛みがあるのに早く治療を終えると、本来受け取れるはずの治療費や慰謝料が少なくなる可能性があります。

step3.後遺障害等級申請(後遺症が残った場合)

症状固定後も、痛み、しびれ、可動域制限、神経症状などが残る場合は、後遺障害等級認定の申請を検討します。

後遺障害とは、治療を続けても完全には回復せず、将来にわたって身体に障害が残る状態をいいます。

後遺障害等級申請で重要になるものは、主に以下のとおりです。 

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必要になるもの内容
後遺障害診断書医師が後遺症の内容や程度を記載する書類 
画像検査の結果レントゲン、MRI、CTなどの検査結果 
通院経過事故後から症状固定までの治療状況 
症状の一貫性痛みやしびれなどが継続しているか 
医学的な所見症状を裏付ける検査結果や診察内容

交通事故では、後遺障害等級が認定されるかどうかで、損害賠償額が大きく変わることがあります。

後遺障害等級は1級から14級まであり、等級に応じて後遺障害慰謝料や逸失利益が計算されます。

たとえば、むちうちによる痛みやしびれでも、医学的な所見や症状の一貫性が認められれば、等級認定の対象になる可能性があります。

一方で、必要な検査や診断書の記載が不十分だと、実際に症状が残っていても認定されないことがあります。

申請には、後遺障害診断書や画像検査、通院経過などが重要です。

後遺症が残っているにもかかわらず、等級申請をしないまま示談してしまうと、後遺障害慰謝料や将来の収入減少分を請求できなくなるおそれがあります。

後遺障害が疑われる場合は、示談前に必ず確認しましょう。

step4.示談交渉・損害賠償金の受け取り

けがが完治した場合、または症状固定後に後遺障害等級が確定した場合、損害総額を整理し、加害者側の保険会社と示談交渉をおこないます。

保険会社からは示談金の提示がありますが、提示額にすべての損害項目が含まれているとは限りません

示談交渉では、まず内訳を確認することが重要です。

示談前に確認すべき項目は、以下のとおりです。 

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確認項目内容
治療費・通院交通費事故による治療費や通院費が反映されているか 
休業損害 仕事や家事ができなかった期間の損害が含まれているか
慰謝料 入通院慰謝料、後遺障害慰謝料などが適切に計算されているか
逸失利益 後遺障害や死亡による将来の収入減少が反映されているか
物的損害 車両修理費、代車費用、評価損などが含まれているか
算定基準 自賠責基準、任意保険基準、弁護士基準のどれで計算されているか

後になって痛みが悪化したり、別の損害に気づいたりしても、示談書に署名・押印すると、例外的な事情がない限り、後から追加請求はできません

保険会社に急かされても、症状固定の時期、後遺障害の有無、損害賠償額の算定基準を確認してから判断することが大切です。

示談成立後は、保険会社や手続き状況によって異なりますが、一定期間を経て指定口座へ損害賠償金が振り込まれます。

損害賠償請求で必要な書類

交通事故の損害賠償を請求する際、人身事故か物損事故か、休業損害や後遺障害を請求するかによって必要書類が異なります。

自分が何を請求するのかを整理したうえで、必要な書類を確認しましょう。 

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請求内容必要書類
物損事故の場合交通事故証明書、修理見積書、事故車両の写真、レッカー費用や代車費用の領収書など
人身事故の場合交通事故証明書、事故発生状況報告書、診断書、診療報酬明細書、治療費・通院交通費などの領収書
死亡事故の場合死亡診断書または死体検案書、戸籍謄本、除籍謄本など
休業損害を請求する場合休業損害証明書、給与明細書、源泉徴収票、確定申告書の控えなど
後遺障害が残った場合後遺障害診断書、画像検査資料、通院経過がわかる資料

交通事故証明書は、事故が発生した事実を証明する書類です。

自動車安全運転センターが、警察から提供された資料に基づいて交付します。

警察への届け出をしていないと、後から交通事故証明書を取得できない可能性があるため、事故直後の届け出は必ずおこないましょう。

破損箇所がわかる写真、修理工場やディーラーの見積書、レッカー費用や代車費用の領収書などを保管しておくと、車両損害を説明しやすくなります。

なお、自賠責保険は人身事故による対人損害賠償を対象とする制度であり、物損事故は補償対象外です

加害者が任意保険に加入していない場合は、原則として加害者本人への請求が中心になりますが、自分の車両保険や人身傷害保険などを使えるケースもあります。

示談前に、自分の保険契約内容も確認しておくと安心です。

損害賠償請求における注意点

交通事故の損害賠償請求では、「何を請求できるか」を知るだけでなく、「どのような場合に金額が減るのか」「いつまでに請求しなければならないのか」を理解しておくことが重要です。

損害賠償は、時効や算定基準、過失割合によって、最終的な受取額が大きく変わることがあります。

特に注意したいのは、保険会社から提示された金額をそのまま受け入れてしまうことです。

提示額は、すべての損害項目を反映しているとは限らず、算定基準によっては本来受け取れる金額より低くなる可能性もあります。

示談後は原則としてやり直しが難しいため、以下の3点を必ず確認しましょう。

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注意点何が起きるか確認すべきこと
時効期限を過ぎると請求が難しくなる物損・人身それぞれの請求期限
算定基準同じ事故でも賠償額が変わる自賠責基準・任意保険基準・弁護士基準のどれか
過失割合被害者側の過失分だけ減額される事故状況や証拠に基づいた割合か

損害賠償請求の時効成立

交通事故の損害賠償請求には時効があります。

時効が成立すると、たとえ本来は請求できる損害があっても、相手方に支払いを求めることが難しくなります。

そのため、事故から時間が経っている場合や、示談交渉が長引いている場合は、下記の期限を意識しておく必要があります。

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事故のケース時効の目安主な例
物損事故3年車両修理費、代車費用、評価損など
人身損害5年治療費、慰謝料、後遺障害に関する損害など
後遺障害に関する損害5年後遺障害慰謝料、逸失利益など
死亡事故5年死亡慰謝料、死亡逸失利益など

ただし、時効の起算点は事故状況や損害の内容によって変わることがあります。

また、後遺障害が残った場合は、症状固定日や後遺障害等級認定の時期が関係するケースもあります。

たとえば、事故直後にはけがが軽いと思っていても、後から後遺症が残るケースでは、どの時点から時効を考えるべきかが問題になることがあります。

期限が近い場合や判断に迷う場合は、自己判断で放置せず、保険会社や専門家に確認しましょう。

算定基準によって損害賠償額が変動

交通事故の損害賠償額は、同じ事故、同じ通院期間であっても、算出基準によって変わります。

主な基準は以下の3つです。

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算定基準内容金額傾向
自賠責基準被害者の最低限の救済を目的とした基準最低限度の補償
任意保険基準加害者側の任意保険会社が独自に用いる基準自賠責基準と同程度
弁護士基準過去の裁判例などをもとにした基準高くなりやすい

自賠責基準は、交通事故被害者の最低限の救済を目的とした基準です。

任意保険基準は、保険会社が独自に用いる基準で、内容は保険会社ごとに異なります

弁護士基準は、過去の裁判例などをもとにした基準で、3つのなかでは最も高額になりやすい基準です。

保険会社から提示された慰謝料や示談金が低いと感じる場合、弁護士基準で計算し直すことで増額できる可能性があります。

自動車保険に弁護士費用特約が付帯している場合は、契約内容によっては自己負担を抑えて弁護士に相談できるケースもあります。

提示額に納得できない場合は、まずどの基準で計算されているかを確認しましょう。

被害者の過失の割合により損害賠償額が減額

交通事故では、被害者側にも不注意があった場合、その過失割合に応じて損害賠償額が減額されます。

これを過失相殺といいます。

たとえば、損害額が100万円でも、被害者に20%の過失があると判断されれば、受け取れる金額は原則としてその分減ります。

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損害額被害者の過失割合減額後の受取額目安
100万円0%100万円
100万円20%80万円
100万円40%60万円

過失割合は、事故態様、信号の有無、道路状況、速度、優先関係、ドライブレコーダー映像、目撃者の証言などをもとに判断されます。

追突事故のように過失割合が比較的判断しやすいケースもありますが、交差点事故や進路変更時の事故では、双方の主張が食い違うことも少なくありません。

なお、自賠責保険では通常の過失相殺とは異なり、被害者に重大な過失がある場合に限って重過失減額が行われることがあります。

そのため、保険会社から提示された過失割合に納得できない場合は、なぜその割合になったのか、根拠を確認しましょう。

過失割合が少し変わるだけでも、最終的な損害賠償金に大きな差が出ることがあります。

車の損害賠償が足りない場合の対処法

交通事故で車が破損した場合、修理費がそのまま全額支払われるとは限りません。

車の損害賠償では、事故当時の車両の時価額が重要な基準になります。

たとえば、修理費が車両の時価額を上回る場合は、経済的全損として扱われることがあります。

この場合、保険会社から提示される賠償額だけでは修理費を賄えず、差額を自己負担しなければならないケースがあります。

車の損害賠償が足りない場合は、以下の選択肢を比較しましょう。 

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選択肢向いているケース
修理して乗り続ける修理費の自己負担が少なく、今の車に乗り続けたい場合
保険金をもとに買い替える修理費が高額で、修理後の安全性や価値低下が気になる場合
事故現状車として売却する修理せず手放し、保険金と売却代金を買い替え費用に充てたい場合

特に、年式が古い車や走行距離が多い車は、時価額が低く評価される傾向にあり、修理費との差額が大きくなることがあります。

また、修理しても修復歴が残ると、中古車市場での評価が下がる可能性があります。

そのため、車の損害賠償が足りない場合は、修理して乗り続けるだけでなく、保険金をもとに買い替える方法や、事故車として売却して次の車の購入費用に充てる方法も検討しましょう。

事故車買取専門の業者であれば、国内外の販路や部品再利用のルートを活用し、一般的な中古車査定では値段がつきにくい車にも価値を見出せる可能性があります。

事故車買取のタウは、年間9万台の買取実績があり、全国19支店で対応しています。

創業から29年にわたり事故車・故障車の買取をおこなっており、修理費用が高額になった事故現状車の相談も多く寄せられています。

車の損害賠償だけでは修理費や買い替え費用が足りない場合は、修理だけにこだわらず、事故車売却も含めて検討してみてください。

交通事故の損害賠償に関するよくある質問

交通事故の損害賠償では、示談交渉の直前になってから細かい疑問が出てくることがあります。

ここでは、交通事故の損害賠償に関するよくある質問について取り上げます。

示談前に不安がある場合は、保険会社や専門家に確認しながら進めることが大切です。

Q1.休業損害は主婦(主夫)でももらえる?

A.給与収入がない主婦(主夫)でも、家事労働が事故前と同じようにできなくなった場合、その支障が経済的損失として評価されることがあります。

ただし、けがの内容や家事に支障が出た程度、同居家族の有無などをもとに判断されるので、必ず満額もらえるというものではありません。

なお、保険会社から提示された示談金に主婦(主夫)の休業損害が含まれていない場合もあります。示談前に内訳を確認することが大切です。

家事ができなかった期間や、家族に代わってもらった作業などを整理しておくと、請求内容を説明しやすくなります。

Q2.通院頻度はどれくらい必要?

A.通院頻度は、けがの内容や医師の治療方針に従うことが基本です。

慰謝料を増やす目的で必要以上に通院しても、医学的な必要性が認められなければ、損害賠償の対象にならない可能性があります。

一方で、痛みがあるのに通院間隔が空きすぎると、症状が軽いと判断されたり、事故との因果関係を疑われたりすることがあります。

特にむちうちのように、画像検査では異常が見えにくく、自覚症状が中心になるけがでは、継続的な通院と症状の記録が重要です。

首の痛み、しびれ、頭痛、可動域の制限などを医師に具体的に伝え、診療録に残してもらうことが、後の損害賠償請求に影響することがあります。

保険会社から治療費の打ち切りを打診された場合も、通院をやめるかどうかは主治医と相談して判断しましょう。

まだ症状が残っているのに通院を終了すると、治療費や慰謝料の対象期間が短くなる可能性があります。

無理に通院するのではなく、必要な治療を適切な頻度で継続することが大切です。

まとめ

交通事故の損害賠償では、以下4つの費用を請求できる可能性があります。

まずは、自分がどの損害を請求できるのかを整理し、示談前に請求漏れがないか確認することが大切です。

また損害賠償額は、時効、算定基準、過失割合、症状固定、後遺障害の有無によって大きく変わります

保険会社から示談金を提示された場合でも、すぐにサインするのではなく、どの損害項目が含まれているか、どの基準で計算されているか、早期示談によって不利にならないかを確認しましょう。

特に車の損害賠償では、修理費が車の時価額を上回り、保険会社から支払われる金額だけでは修理や買い替えに足りないケースがあります。
その場合、事故車として売却し、損害賠償金と売却代金を合わせて次の車の費用に充てる方法もあります。

事故車買取のタウは年間9万台の買取実績を誇り、創業29年のノウハウと世界120カ国以上の販売経路を活かして、事故車でも最大限価値を見出して買い取らせていただきます。

車の損害賠償が足りず悩んでいる場合は、修理だけでなく、事故車売却という選択肢も含めて検討してみてください。

岩淵 俊

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