廃車になるような状態が悪い車でも買取が可能なことを知っていますか?
車は全体の70%が金属でできているため、どんなに古くても、動かなくても、「金属資源」としての価値があります。
「廃車にするのにお金がかかる」
「古すぎてもう価値がない」
上記のようなお悩みを抱えている方は、廃車専門の買取業者に依頼してお得に売却しましょう。
専門の買取業者では、廃車にお金をかけるどころか、逆に現金化できる可能性があります。
本記事では、処分費用なしで廃車を現金化する方法を、図解と具体例でわかりやすく解説しています。
「廃車=費用がかかるもの」と思い込まず、愛車の価値を正しく評価してくれる業者でお得に手放しましょう。

事故車買取に携わって20年以上の経験を持ち、損害車や故障車に関する知識が豊富。 幼少期からの車好きが高じて、中古車販売店や大手カー用品店、ガソリンスタンドなどに従事し、 車の知見も深い。その経験を活かし、お得な売却術や修理・乗り換え方法など車に関する幅広いコラムの監修をしている。 ...続きを読む
スクラップすると廃車でも高価買取できるって本当?
「廃車=お金がかかる」と思われがちですが、車をスクラップにして売る方法であれば、お金をかけずにお得に処分できます。
よく廃車とスクラップが混同されますが、廃車は自動車の登録を抹消し、公道を走れない状態にすることです。
もう少し車のスクラップ化について具体的にいうと、以下のような流れになります。
- 車を解体工場へ運ぶ
- エンジンやタイヤなどの部品を取り外す
- 鉄やアルミなどの金属とゴミ(内装・プラスチックなど)を分別
- 金属部分は鉄資源してリサイクルに回される
- 不要部分は産業廃棄物として処理される
なぜスクラップにした車を高く買い取れるかというと、「スクラップにする=価値ゼロ」ではないからです。
車は約70%が鉄やアルミ、銅などの金属資源でできており、車として機能しなくともリサイクル資源として高い価値を持ちます。
では、どのような点が「スクラップ買取」の魅力といえるのでしょうか。
次の項目で、以下3つの副次的なメリットをそれぞれ紹介いたします。
- 廃車の処分にかかる費用を削減できる
- どんな状態の車でも売却できる
- 税金の還付や面倒な手続きも業者が代行してくれる
これらのメリットを知っておくことで、「もう使えないから捨てる」ではなく、「金属資源として売却する」という新しい選択肢が生まれます。
スクラップ買取で得られるメリット
通常、車を廃車にするには1万〜3万円ほどの処分費がかかります。
これは解体費、レッカー代、事務手数料などを合算した金額です。
しかし、廃車買取専門業者に依頼すれば、これらの費用はすべて無料です。
つまり、0円で車を処分してもらったうえで、現金を受け取れる可能性があります。
車の処分費用を抑えたい人にとっては、非常にお得なサービスです。
このように、単に処分するのではなく現金化まで実現できるというのが、車をスクラップにする最大のメリットといえます。
このあと解説する「スクラップ買取と中古車買取の違い」を理解すると、さらに納得感が深まります。
スクラップ買取と中古車買取との違いとは?
車の買取には、「再び走らせること」を前提とする中古車買取と、「金属資源」として価値を見出すスクラップ買取があります。
以下の表は、2つの買取方法の違いをまとめたものです。
項目 | 中古車買取 | スクラップ買取 |
評価基準 | 再販価値 | 金属の量や種類 |
---|---|---|
価格の決まり方 | 年式、走行距離、車の状態 | 排気量、金属含有量、パーツの再利用性 |
対象となる車両の条件 | 自走可能が基本 | どんな状態の車でも可能 |
再販可否 | 再販前提で査定 | 再販を前提としない |
状態の影響 | 悪ければ減額大 | 状態はあまり問われない |
中古車買取では「その車がまだ使えるかどうか」が重要視されます。
そのため、走行距離や年式、車両の状態などから買取価格を算出します。
一方、スクラップ買取は「金属資源」としての価値を重要視します。
車両の排気量を基準に、リサイクル資源としての価値を考慮して単価を算出します。
スクラップ買取で高価買取が期待できる車の特徴は以下の通りです。
- 長期間放置された車(動かない状態)
- エンジンやトランスミッションなど部品が故障している車
- 年式が10年以上経過している旧型車
- 事故や自然災害で損傷を受けた車
- 車検切れやナンバー返納済みの車
事故車や走行不能な車、軽自動車であってもリサイクル資源としての価値があるため、古くても売却のチャンスが十分にあります。



「もう売れないだろう」と諦めて廃車にする車でも、売却できる可能性が高いのがスクラップ買取の魅力です。
では次に、売却時に発生する還付金や手続きの簡略化について見ていきましょう。
還付金や手続き簡略化による副次的メリット
車を廃車にする際、「抹消登録」という手続きをすることで、すでに支払った自動車税や保険料が戻ってくるケースがあります。
ただし、正しく手続きを踏まなければ受け取れる還付金額が少なくなります。
以下に抹消登録をすると受け取れる還付金と受け取りの条件を紹介するので、参考にしてください。
- 自動車税:普通車のみ月割で還付
- 重量税:車検期間が残っていれば一部還付対象
- 自賠責保険:契約満了までの未経過分を還付
廃車買取業者の多くは、廃車にするための手続きを無料で代行してくれるため、あなたは必要書類を揃えるだけで済みます。
必要書類が整えば、あとは廃車買取業者が運輸支局や軽自動車協会、保険会社への申請まで対応してくれるため、手間や時間をかけずに処理が完了します。
このような副次的メリットも、スクラップ買取を検討するうえで無視できないポイントです。
鉄相場が買取価格に与える影響
スクラップにして車を売る際に見逃せないのが「鉄相場」の動きです。
2025年現在の鉄の単価は1kgあたり30〜50円程度で、アルミは150〜250円程度が目安です。
とはいえ、実際の査定価格は排気量を基準にして算出されており、そこに鉄の買取価格が上乗せされる仕組みです。
下記は、排気量別の買取価格目安です。
車種区分 | 軽自動車 | 小型車 | 普通車 | 大型車 |
排気量 | 660cc以上 | 1,000cc以上 | 1,500cc以上 | 2,000cc以上 |
---|---|---|---|---|
基本価格 | 15,000円 | 25,000円 | 35,000円 | 50,000円 |
鉄相場高騰 | 18,000円 | 30,000円 | 42,000円 | 60,000円 |
鉄相場下落 | 12,000円 | 20,000円 | 28,000円 | 40,000円 |
なお、鉄相場の変動は全体価格の±20%程度の影響であり、中古車として再販するほどの買取価格にはならないことを覚えておきましょう。
また、鉄相場は買取時期や国際的な鉄の需要により変動するので、なるべく高く買い取ってほしい方は、鉄相場の動きを見極める必要があります。
鉄相場の確認方法としては、一般社団法人日本鉄リサイクル工業会の価格推移表があります。
日本国内の鉄スクラップ(鋼スクラップ)価格の直近12ヶ月や年単位での推移を確認できます。
スクラップした車を買い取れる3つの業者を徹底比較
スクラップにして車を売却する場合、依頼先によって得られる金額や手続きの手間が大きく異なります。
代表的な依頼先は以下の3つです。
依頼先 | 推奨のタイプ |
ディーラー | 新車購入を検討している人 |
---|---|
廃車・事故車買取業者 | 無料で処分して現金化したい人 |
スクラップ工場 | 手間をかけてでも高く売りたい人 |
どこに依頼するかによって、費用面・手間・対応スピードなどの満足度に違いが出るため、自分の目的に合った選択が重要です。
こちらの章では、上記で挙げた3つの業者で廃車を処分する場合の特徴と注意点をご紹介します。
ディーラーで下取りを依頼
ディーラーで下取りを依頼する場合、廃車になる車は処分費用が発生することが一般的です。
何故なら、ディーラーが下取りサービスを提供する目的が、下取り価格分を新車の販売価格から割引し、新車購入のハードルを下げることだからです。
以下の表は、ディーラーに廃車を依頼する場合の特徴をまとめたものです。
項目 | 内容 |
買取価格 | 基本的に0~1万円程度 |
---|---|
処分費用 | 1~3万円かかる場合あり |
手続き | ディーラーがすべて代行 |
対象者 | 費用がかかっても乗り換えに手間をかけたくない人 |
ディーラーでは、新車の契約と廃車に必要な書類の作成や提出をワンストップで対応してくれるため、自分で書類の準備や各所への連絡をする必要がほとんどありません。
こうした一括対応の便利さは、車の手続きに不慣れな方や、「とにかく手間なく済ませたい」という方にとっては大きな安心材料です。
一方で、金銭的な利益を重視する方にとっては、専門業者への依頼の方が適しています。
何故なら、ディーラーでは下取りした車を中古車として販売するルートやノウハウが、買取専門店ほど確立されていない場合があるからです。
次に紹介するのは、費用をかけずに売却できて、さらに現金も手に入る「廃車買取業者」の活用法です。
コストを抑えながら価値を引き出したい方におすすめの方法をご紹介します。
廃車買取業者に買取を依頼
廃車専門の買取業者は、動かない車や古くて売れない車でも金属としての価値がある限り、適切に評価して値段をつけてくれます。
また、車の引き取りや廃車にするための手続きをすべて無料で代行してくれるため、費用をかけずに処分したい方にとって非常に心強い選択肢となります。
下記の表は、廃車買取業者に依頼した場合の特徴をまとめたものです。
項目 | 内容 |
買取価格 | 排気量とリサイクル資源としての価値で算出 |
---|---|
処分費用 | 査定・引取・手続き全て基本無料 |
手続き | 買取業者がすべて代行 |
対象者 | 手間をかけないで買い取ってほしい人 |
廃車買取業者は単に「車を金属として処分する」だけでなく、まだ使えるパーツを見極めて価値として還元してくれるのが大きな特徴です。
日本車は「壊れにくく長持ちする車」として世界的に人気があるので、 海外への販売経路を持つ業者では、エンジンやドアなどの再利用できる部品も買取対象になるのです。
そのため、買取業者ごとに価格差がつきやすく、必ず複数の業者から相見積もりを取ることが大切です。
少しの手間を惜しまず、価格・対応・信頼性を見比べて、自分にとって一番良い条件で売却しましょう。
最後に、価格面では有利なものの自分で手続きを行う必要があるスクラップ工場について解説します。
スクラップ工場に直接持ち込み
スクラップ工場に直接依頼する方法は、中間業者がいない分、買取額が高くなる可能性があります。
とはいえ、車両の持ち込みや抹消登録の手続きを自分で行う必要があり、一定の知識や準備が必要です。
下記の表は、スクラップ工場に直接持ち込んだ場合の特徴をまとめたものです。
項目 | 内容 |
買取価格 | 中間業者がいないため比較的高値がつきやすい |
---|---|
処分費用 | 引取や必要書類の用意で必要な場合あり |
手続き | 抹消登録などを自分で行う必要がある |
対象者 | 手間を惜しまず高く売りたい人 |
工場によっては、事前連絡なしでの持ち込みが不可だったり、引き取りエリアに制限があることもあるため、事前確認をしっかり行うことが成功の鍵となります。
廃車・事故車買取業者より高く売れることもありますが、手続きが煩雑になることを理解しておきましょう。
次章では、スクラップした車を少しでも高く買い取ってもらうためにできる実践的なコツを紹介します。
スクラップした車を少しでも高く買い取ってもらうコツ
スクラップとしての買取でも、売り方次第で数千円から数万円の差が出ることがあります。
これは、業者の査定基準やタイミング、伝える情報の正確さによって買取価格が大きく変わるためです。
そこで、初心者の方でも今日から実践できる「高く売るためのコツ」を、具体的にご紹介します。
ポイント | 理由 |
相見積もりをとる | 業者ごとに販路や仕組みが異なるため、査定額が1万円前後する可能性があるから |
---|---|
鉄相場が上がる春~秋を狙う | 鉄相場が上がると買取価格も高くなるため。特に春は還付金の影響も受ける |
海外販路を所持する業者を選ぶ | 国内で再販できない部品でも輸出向けに高く評価してくれる業者が多いため |
自社オークション運営がある業者を選ぶ | オークション経由で販売することで中間業者を省けるため |
車検証の情報を正確に伝える | 正確な情報を伝えることで、減額のリスクを下げられるから |
これらの対策は、どれも特別な知識や技術を必要としない、誰でも実践できる内容ばかりです。
特に、相見積もりを取るだけでも1万円以上の差がつくケースは珍しくありません。
また、需要が高まるタイミングを狙えば、通常よりも2〜3割高い価格がつくこともあります。
次の章では、こうした高く売るための工夫を活かすために、事前に用意しておきたい書類や確認事項について詳しく解説していきます。
売却時のトラブルを防ぐためにも、準備のチェックポイントを押さえておきましょう。
売却前にチェックしたい準備項目
廃車を売却する際に、もっともトラブルになりやすいのが「書類の不備」です。
車はただ引き渡すだけでは処分できません。
抹消登録や税金還付申請などに必要な書類がそろっていなければ、一切の手続きが進まなくなります。
さらに、自分で廃車手続きを進める場合と、業者に代行してもらう場合では必要書類が異なります。
そのため、廃車の方法別に必要な書類の違いを表で整理しておきましょう。
必要書類 | 自分で廃車手続き | 業者が廃車手続き代行 |
車検証 | 必要 | 必要 |
---|---|---|
印鑑証明書(普通車) | 必要 | 必要 |
リサイクル券 | 必要 | 必要 |
ナンバープレート(前後) | 必要 | 必要 |
永久抹消登録申請書 | 必要 | 業者が作成 |
手数料納付書 | 必要 | 不要 |
自賠責保険証 | 任意(車検が残っていない場合は不要) | 任意(車検が残っていない場合は不要) |
自動車重量税還付申請書 | 任意(車検が残っていない場合は不要) | 任意(車検が残っていない場合は不要) |
還付金振込口座情報 | 必要(還付金がない場合は不要) | 必要(還付金がない場合は不要) |
委任状・譲渡証明書 | 不要 | 必要(実印の押印が必須) |
住民票 | 必要(車検証の住所と現住所が異なる場合) | 必要(車検証の住所と現住所が異なる場合) |
ローン残債確認資料 | 金融機関への確認 | 金融機関への確認 |
上記の表に記載のとおり、廃車手続きは複数の書類と手続きを必要とし、提出先も運輸支局や保険会社など多岐にわたります。
永久抹消登録申請書や還付金の書類など書き慣れない書類は、不備や間違いが起きやすいです。
書類に不備があり再提出になった場合は、解体や廃車が遅れる可能性があります。
そのため、費用をかけず手続きをスムーズに終わらせたい場合は、廃車買取業者に依頼する方がよいでしょう。
廃車買取業者では、基本的に業者側が用意した書類に必要事項を記入して、返送するだけでよいため、自分で手続きを進めるよりも圧倒的に楽ができます。
なお、ローンが残っている車や車の名義人が(依頼者)以外になっている場合は注意が必要です。
そういった状況の車は法律上、依頼者の判断で勝手に売却できないため、金融機関や名義人との調整が必須になります。
ローンや中古で車を購入されている方は、早めに車検証に記載の名義人を確認して、必要があれば事前に相談・対応しておきましょう。
ここまで準備が整えば、あとはスムーズに「査定→引き取り→名義変更→還付手続き」までを進めることができます。
しっかり廃車手続きの準備をしておくことが、高値売却だけでなく、トラブルのない安全な取引にもつながります。
まとめ
走行不能な車や年式の古い車でもスクラップすることで、費用をかけずに処分したうえで、現金化することが可能です。
「もう価値はない」と思っていた車でも、鉄やアルミなどの金属資源としての需要がある限り、しっかりとした価格で売却できるチャンスは残されています。
重要なのは、買取先の選び方や売却のタイミング、そして事前準備をしっかり整えることです。
事前の準備を怠らず、この記事で得た知識を活用すれば、廃車を無駄にせず、お得に活用することができます。
以下に、今回の記事で押さえておきたいポイントを簡潔にまとめました。
- 走行不能車でも金属資源としての価値で買取対象
- 廃車は専門の買取業者で費用をかけずに現金化
- 売却額を上げるには、業者選びと事前準備が重要
なお、事故や部品の故障で動かなくなったお車の処分にお困りの方は、損害車買取業界TOPクラスの買取実績を誇る「事故車買取のタウ」におまかせください。
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事故車買取に携わって20年以上の経験を持ち、損害車や故障車に関する知識が豊富。 幼少期からの車好きが高じて、中古車販売店や大手カー用品店、ガソリンスタンドなどに従事し、 車の知見も深い。その経験を活かし、お得な売却術や修理・乗り換え方法など車に関する幅広いコラムの監修をしている。