事故により車が損傷した場合、多くの方が最初に抱く不安は「修理にはどれくらいの期間がかかるのか」という点ではないでしょうか。
日常的に車を利用されている方にとって、修理完了までの目安を把握しておくことは非常に重要です。
本記事では、事故車の修理期間について、部位ごとの目安をわかりやすく解説します。
あわせて、修理が長引く主な理由や代車の手配方法、修理期間を短縮するための工夫も紹介しています。
車の修理期間を知りたい方や、事故車を買い替える基準も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

事故車買取に携わって20年以上の経験を持ち、損害車や故障車に関する知識が豊富。 幼少期からの車好きが高じて、中古車販売店や大手カー用品店、ガソリンスタンドなどに従事し、 車の知見も深い。その経験を活かし、お得な売却術や修理・乗り換え方法など車に関する幅広いコラムの監修をしている。 ...続きを読む
事故車の修理期間は破損部位によって異なる
事故車の修理期間は、損傷した部位や損傷の程度によって大きく変わります。
軽微な傷やへこみであれば数日で終わることもありますが、フレームや足回りなど車のフレームなどが損傷していると、修理期間は1カ月以上におよぶケースもあります。
この章では、事故車の修理期間の目安をパーツ別で詳しく紹介します。
事故車のパーツ別の修理期間目安
事故車の修理内容は、車のどこがどれだけ損傷しているかで異なります。
以下は代表的なパーツ別の修理期間の目安です。
損傷部位 | 修理期間 |
エンジン | 数週間~1カ月以上 |
エアバッグ | 数日~1週間程度 |
オルターネーター | 1日~3日程度 |
電飾系(ユニット全体) | 1日~1週間程度 |
フロント/リアガラス | 数時間~1日 |
フロント/リアフェンダー | 数時間~2・3日程度 |
ドア | 3日~1週間程度 |
サスペンション | 1日~1週間以内 |
タイヤ/ホイール | 1日~1週間程度 |
フレーム(骨格) | 2週間~1カ月以上 ※重度の場合 |
上記の期間はあくまで目安ですが、状況によっては修理が長引くこともあります。
次の章では、修理期間が長引きやすい3つのケースをご紹介します。
ご自身の状況に当てはまる点がないか、確認してみてください。
事故車の修理期間が長引くケースとは?
事故車の修理自体はそれほど時間がかからなくても、以下のような事情によって修理期間が予定よりも長くなるケースがあります。
- 保険利用による遅れ
- 修理箇所と部品の在庫状況
- 修理業者の混雑状況
保険利用による遅れ
まず1つめの修理期間が長引く理由は、保険利用によるものです。
保険を利用することで自己負担は軽減されますが、その一方で手続きに時間がかかる場合があります。
具体的には以下のような流れで時間を要する可能性があります。
①修理工場が見積もりを作成
②保険会社が見積もり内容について確認
③修理金額や過失割合に関する交渉
なかでも、相手方の保険を利用する場合は、相手の保険会社の対応スピードに左右されやすく、手続きがスムーズに進まないこともあります。
過失割合の調整や示談交渉に時間がかかると、その分だけ修理の着手が遅れ、結果として修理期間が長引いてしまう要因となります。
修理箇所と部品の在庫状況
修理期間が長引く2つめの理由は、必要な部品がすぐに手に入らないという問題です。
部品の中でも特に、バンパーやセンサー類、純正ナビなどの特殊な部品や電装部品は、在庫が少なく、取り寄せに1週間以上かかることも珍しくありません。
さらに、車の年式や種類によっても状況は異なります。
たとえば、以下のような車は修理に時間がかかる傾向があります。
- 年式の古い車:部品の生産終了により在庫が少ない
- 輸入車や限定車:部品の海外取り寄せに時間がかかる
- 高年式車・ハイブリッド車:構造が複雑で修理に手間がかかる
このようにどこが壊れているかだけでなく、車種や年式も修理期間を大きく左右するポイントになります。
修理業者の混雑状況
修理業者の混雑状況は、修理期間に大きく影響します。
特に以下のような時期は、車検や事故修理の依頼が集中するため、工場の予約が取りづらく、作業開始までに時間を要することもあります。
- 年末年始
- ゴールデンウィーク
- 3月の年度末
修理業者に早めに連絡して予約を取るか、複数の業者に見積もりを依頼して空き状況を確認することが大切です。
事故車の修理期間を短縮するための2つのコツ
「少しでも早く車を直したい!」という方は、次の2点を押さえておくと修理期間の短縮につながります。
- 早めに業者に修理を依頼する
- リサイクルパーツ(代替部品)を使用する
早めに業者に修理を依頼する
事故後はできるだけ早く、修理業者に見積もりを依頼しましょう。
一見当たり前のようですが、修理工場が繁忙期だったり、部品の取り寄せに時間がかかったりするケースも多いため、早めの対応が重要です。
また、無料で修理費用の見積もりを出してくれる業者は多数あるので、複数社に相談して、最も早く対応できる業者を選ぶのもおすすめです。
リサイクルパーツ(代替部品)を使用する
修理期間を短縮したいなら、リサイクルパーツの使用も検討してみましょう。
新品部品は発注から納品までに時間がかかり、費用も高くなりがちですが、リサイクルパーツ(代替部品)なら、すでに流通している在庫を使えるため、納期が早く、費用も新品と比較すると5割ほど抑えられるケースが多くあります。
特に、バンパーやドア、ミラーなどの外装パーツはリサイクル品が豊富で、色や型が合えば塗装不要でそのまま使える場合もあり、修理がスムーズに進みます。
リサイクルパーツの品質に不安がある場合でも、専門業者が整備し再利用できるようにしたリビルトパーツなら、比較的安心して利用できるのでおすすめです。
事故車の修理期間中の代車はどうなる?保険で借りられる?
事故車の修理中、生活に支障をきたさないためにも「代車を使えるかどうか」は重要なポイントです。
自動車保険の契約内容によっては、代車を無料で借りられる場合もありますが、補償がない場合は自費で手配する必要があります。
ここでは、保険で代車を利用できるケースと、自費の場合の費用相場について詳しく解説します。
- 保険の代車費用特約が使えるケース
- 自費で代車を借りる場合の費用相場
保険の代車費用特約が使えるケース
ご自身の自動車保険に「代車費用特約(レンタカー費用特約)」がついている場合、修理期間中の代車費用は保険でカバーされます。
ただし、代車の種類や借りられる日数には上限があるため、事前に加入している保険内容を確認しておきましょう。
また、相手のいる事故では、状況によって相手に代車費用を請求することができます。
請求できるかどうかは、次の3つのポイントで判断されます。
- 代車の必要性があるかどうか
- 代車の利用期間が妥当かどうか
- 代車の利用料が妥当かどうか
たとえば、相手の過失が9割でご自身が1割の事故だった場合、代車費用が40,000円かかったなら、9割の36,000円は相手に請求できますが、残りの4,000円は自己負担になります。
自費で代車を借りる場合の費用相場
代車費用特約に加入していない場合や、保険を利用しない場合自費でレンタカーを手配する必要があります。
レンタカーの車種によって1日当たりの目安の料金は変動するので、参考にしてみてください。
車種 | 1日あたりの利用料金 |
軽自動車 | 7,500円~ |
普通車 | 9,000円~12,000円 |
SUV | 10,000円~17,000円 |
修理期間が長くなるにつれて代車の出費も増えるため、事前に代車費用がどのくらいかかるかを見積もっておくと安心です。
事故車の修理はすべき?買い替えとの判断ポイント
「事故車を修理して乗り続けるか、それとも思い切って買い替えるか」これは多くの方が迷うポイントです。
事故を修理するか買い替えるかの判断は、保険の内容や車の状態、将来的な車の価値などをふまえて、以下のような観点から判断しましょう。
- 修理費用が車の価値を上回る場合
- 将来的な査定や売却価値を踏まえて選択
修理費用が車の価値を上回る場合
まず判断基準の1つ目は、修理にかかる費用とその車自体の価値が見合っているかどうかという点です。
例えば、今の車の査定額が50万円であるのに対して、修理費用が60万円かかる場合、修理費用の方が、車の価値を大きく上回ってしまうことになります。
いくらきれいに修理しても、その車の査定額が回復するわけではありません。
そのため、修理費用が査定額を上回るケースでは修理に出さず、事故車買取業者に売却して新しい車に乗り換えるほうがおすすめです。
将来的な査定や売却価値をふまえて選択
2つ目の判断基準が、将来的な査定額・売却額が見合っているかどうかという点です。
というのも、事故で車の骨格部分に損傷し、フレーム周りの部分を修理や交換した場合は「修復歴あり」として記録されます。
「修復歴あり」の車は、中古車市場で査定額が2〜3割程下がることが多いため、修理費用をかけてもその分の価値が戻らないことがあります
事故車であっても「車としての価値」や「部品としての価値」を評価して買い取ってくれる可能性もあります。
当サイト「事故車買取のタウ」では事故車を専門に取り扱っています。
累計買取実績は業界最多を記録しており、長年の経験と豊富な知識を併せ持ち海外にも独自の販路を築き上げているため、どんな状態のお車でも可能な限り高価買取を実現させていただきます。
事故車の修理業者の選び方
修理業者の選び方を、ディーラーと修理工場の2つに分けて解説します。
事故車を修理に出す場合、依頼する業者によって、仕上がりの質や費用が異なるので、それぞれの特徴を見て条件にあった業者を選んでみてください。
比較項目 | ディーラーの特徴 | 修理工場の特徴 |
技術力・品質 | 技術力は高水準で、マニュアルに則った施工 | 工場ごとで差がある |
---|---|---|
対応範囲 | 軽度~中度修理を対応 | 工場ごとで専門とする範囲が異なる |
使用部品 | 原則すべて純正パーツ | 純正・中古・リビルト品など柔軟に対応 |
見積もり・説明の丁寧さ | マニュアルに則った明確な説明 | 工場ごとで差がある |
修理費用 | 技術料と部品代で高くなりやすい | 見積もり相談して費用を調整可能 |
保証・アドバイス | 豊富な補償制度ああり | 工場ごとで差がある(明示していない工場あり) |
以下の記事では、修理業者を選ぶ際のチェックポイントや、後悔しないための注意点を詳しく解説していますので、参考にしてみてください。

まとめ
事故車の修理期間は、損傷の部位・部品の入手状況・保険手続き・業者の混雑具合など、さまざまな要因によって変動します。
そのため、「早く修理をしたい」とお考えの場合は、できるだけ早めに業者と連絡を取り、リサイクルパーツ(代替部品)の使用も視野に入れることがポイントです。
また、修理にかかる費用が高額な場合や、将来的に査定額に大きく影響するような事故歴が残る場合には、思い切って買い替えを検討してみましょう。
事故車を修理か手放すかで迷っている方は一度事故車買取のタウにご相談ください。
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事故車の損傷が大きいからという理由で売却を諦めるのではなく、まずお気軽にお問合せ・ご相談ください。

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